W杯で日本は「コスタリカ or ニュージーランド」とどう戦うべきか 巨漢CFと名GKに注目

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ジャマイカ戦の教訓

 中盤では強度の高い守備のできる遠藤航、守田英正の2人は欠かせない。そして前線ではスピードスターの伊東純也、ケガから復帰してすぐにゴールを決めたセルティックの古橋亨梧――スピードとアジリティーで勝負できるタイプが効果的と予想する。

 日本がW杯に初出場した98年フランス大会は、初戦でアルゼンチンに、第2戦でクロアチアに、いずれも0-1で敗れた。しかし当時は、第3戦のジャマイカには勝てるだろうという楽観論が日本には充満していた。

 ジャマイカと聞いて、当時のイメージとしてはボブ・マーリーのレゲエ音楽か、88年のカルガリー冬期五輪のボブスレーのエピソードを元にした「クールランニング」という映画くらいしか印象はなかった。サッカーは日本と同様、フランス大会が初出場だし、アルゼンチンに0-5、クロアチアに1-3と敗れていた。

 しかし結果は、中山雅史がW杯初ゴールを決めたものの1-2で敗れた。当時の日本は全員が国内組。対するジャマイカはイングランドやベルギーでプレーする選手が8人もいた。根拠のない楽観論は慎むべきという教訓を学んだフランスW杯でもあった。

 卑下する必要はないが、ニュージーランドやコスタリカを甘く見てはならない。まして対戦するのはW杯の本大会である。「何が起きるかわからない」のがW杯であり、逆に日本がサプライズを起こせる可能性もそこには潜んでいるはずだ。

註:2010年の大陸間プレーオフではバーレーンに勝利し、28年ぶりの本大会出場。前回のロシアW杯大陸間プレーオフはペルーに0-2。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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