日銀トップ人事に急浮上する“女性バンカー”とは 父は「火の玉」研究で知られる早大名誉教授

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 9年に及ぶ「異次元」の金融緩和の評価はさまざまだが、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁(77)の任期もあと1年。早くも関心は、次の総裁人事に集まっている。全国紙の金融担当記者によると、

「目下、有力視されているのは現副総裁の雨宮正佳氏と、元副総裁で大和総研理事長の中曽宏氏の二人です。雨宮氏は、政策委員会室や企画局を担当してきた実務派。一方、中曽氏は日銀時代、国際関係部門を統括していた国際派です」

 下馬評は真っ二つだが、いずれにせよ長年の金融緩和政策には終止符が打たれることになりそうだ。シグマ・キャピタル代表取締役の田代秀敏氏が言う。

「異次元緩和の結果、日銀が抱える国債は400兆円超に膨れ上がり中央銀行としては異常なレベルです。仮に国債価格が急落すれば日銀の信認が揺らぎ金利が急騰して国債の利払いが膨張しかねません。財務省は、誰が総裁になっても副総裁や審議委員には財務省の息の掛かった人間を押し込んでくるでしょう」

女性バンカーが急浮上

 もうひとつ、日銀では時折、サプライズ人事が起きるのも忘れてはならない。過去にはノーマークだった新聞記者の藤原作弥氏が副総裁に就任した例もある。

「今の時代であれば女性バンカーでしょう」

 とは先の金融担当記者。海外では米FRBのイエレン前議長や欧州中央銀行のラガルド現総裁がいる。

「日銀には女性理事もいますが、民間起用であればマネックス証券のチーフアナリストを務める大槻奈那氏がダークホースかもしれません。東大から三井信託、大手外銀などを経験し、米誌のアナリストランキングで1位になったことがある。国の財政制度等審議会委員も兼務していますが、注目するべきは衆院予算委員会で2度、公述人を務めていること。これは異例で、政府・自民党が大槻さんの実力を買っている証です。岸田首相も、次の日銀人事では話題性が欲しいはず。今から総裁レースに割って入るのは難しいにしても、副総裁ならあり得ます」

 その大槻氏、「火の玉」研究でオカルト現象の嘘を喝破した早大名誉教授の大槻義彦氏のご令嬢。理論派なのは親譲りの美女である。

 そこでマネックス証券に聞いてみると、

「公職に関する話はお答えのしようがありません」(広報担当者)

週刊新潮 2022年4月14日号掲載

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