豊かな生態系をつくる「距離」と「弱さ」とは

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 二〇一五年に『数学する身体』という本を書いた。この本の主役の一人はアラン・チューリングという数学者である。特に前半では、チューリングが「計算可能性」の概念を打ち立てるまでの歴史を数学と身体の関係を軸に描いた(後半は岡潔の思想と生涯を通してその関係を別の角度から考察した)。それから五年半、前作の刊行以来取り組み続けてきた第二作『計算する生命』を春に出版することができた。この本では、チューリングの思考の前提となった、一九世紀における数学と論理学の関係と大きな転回、特にリーマンからフレーゲに至る数学史のうねりを描くことが一つの目標であった。...

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