「愛子天皇」の実現度はどれくらいあるのか? 秋篠宮家への不信感が後押し要因に

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側室制度と男系男子による皇位の維持

 別の記者にも聞いてみると、

「男系男子だけに皇位継承の資格を絞るのは継続性の面でハードルが高く、それを可能にしてきた1つが側室制度でした。戦後に改正された皇室典範は、正妻以外の女性の子らが皇位につくことを認めていません。ある意味で、両輪で動いてきた『側室制度と男系男子による皇位の維持』が成り立たなくなったところから、無理が生じているという指摘があります」

 2005年の小泉政権下の有識者会議の報告書には、そういった現状や少子化など環境の変化を踏まえ、「(皇位)継承の資格者を女性や女系の皇族に拡大すべき」と明記されていた。

「これまでで最も『女性・女系天皇』に近づいたタイミングでした。翌06年の国会に皇室典範改正法案が提出されることになっていましたが、紀子さまのご懐妊報道があり、悠仁さまが誕生され、それ以降の政権に報告書の内容が引き継がれることはありませんでした」(同)

 当時の有識者会議でも、女性天皇から生まれた方は性別を問わず女系となるため、女性天皇を認めるだけでは皇位の安定的な継承は極めて難しいという議論になった。したがって、「継承の資格者を女性や女系の皇族に拡大すべき」と結論づけたわけだ。

帝王教育の大きさ

 この記者が続ける。

「天皇陛下には代々、帝王教育というものが授けられます。将来、天皇になるという自覚と覚悟を小さな頃から持って生活されるわけです。皇室典範は長子による継承を定めていますから、現在の天皇陛下と秋篠宮さまとでは、その自覚と覚悟という点で差があったのではないかと指摘する声は小さくありません」

 その一方で愛子さまに関しては、

「“将来の天皇陛下”として育てられたという風にはもちろん聞きませんし、さまざまな可能性はあるにせよ、基本的には“将来的に家を出て民間人として生活していく可能性が高い”と自覚されてきたということです。秋篠宮家への不信感が待望論を後押ししているにしても、『愛子天皇』を可能にする皇室典範の改正は、そのような育てられ方をしてきた愛子さまにとって残酷にも映ります」(同)

 多くのジレンマを抱えながら、「皇室の危機」は続くようだ。

デイリー新潮編集部

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