日本共産党の「文書交通費」はブラックボックス 元議員は「月100万円は全て党が持っていく」

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まるでブラック企業!?

 文書交通費は共産党が吸い上げてしまい、プールした金の用途などは全くのブラックボックスだったという。

「考えてみると不思議ですが、文書交通費が渡されないという問題を党内で議論したことさえなかったですね。共産党の特有事情について言えば、選挙に関する費用は全て党が負担しているということは挙げられます。他党の国会議員のように、自分で費用を工面する必要がありません」(同・筆坂氏)

 共産党の場合、国会議員の歳費(給与)も党が一括して受け取り、党への“寄付”などを差し引いて渡している。

「昔は国会議員の秘書も地方議員も同じシステムでした。批判が出たことから全額を渡すようになりましたが、国会議員については変わっていないはずです」(同・筆坂氏)

 現在の共産党はサイトで「文書通信交通滞在費の使途」を公開している。

 そこには《文通費は1人ひとりの議員に支給されているが、当初からわが党衆参国会議員は、全員の合意をえて国会議員団の共同管理にして有効に活用する努力をしている》と明記されている。

 ちなみに2020年の分を見てみると、《文書費》は《コピー機リース料》などが計上され、約4200万円だったという。

 辻元清美・前衆議院議員(61)など4人が、秘書給与流用の疑いで逮捕されたのは2002年。翌03年には東京地検で有罪判決が下り、刑が確定した。

 その後も時折、政治家が秘書の給与を“ピンハネ”していたとする事件が報じられる。前出の担当記者が言う。

「共産党が国会議員の文書交通費を“ピンハネ”している問題は、詐欺罪など刑法に抵触するわけではないのかもしれません。しかし、文書交通費は国会議員の活動をサポートするためのものです。党が一括して受け取り、国会議員には一切渡さないというのは、立法趣旨から逸脱しています。今後、文書交通費を巡って国会で様々な議論が行われますが、共産党は“どのツラを下げて”参加するのかと言われても仕方ないでしょう」

必要ない文書交通費

 筆坂氏は「日割り支給とか、領収書の添付などが主張されていますが、そもそも国会議員に文書交通費など一銭も必要ないのです」と指摘する。

「交通費なら、ご存知の通り、国会議員は鉄道もバスも乗り放題というパスが支給されます。遠隔の議員には航空券も支給されます。必要な交通費といえば、タクシー代くらいでしょう。滞在費も議員宿舎がなかった時代の名残です。今は赤坂などに壮麗な宿舎が整備されています。文書費は支援者とのやり取りに一部は必要かもしれませんが、これもTwitterやブログの発達で印刷物は存在価値が下がりました」

 国会議員は毎月、文書費や交通費をいくらぐらい使っているのか、調査を行ってみたらさぞかし見物だろう。

デイリー新潮編集部

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