大阪のオバちゃんが会社社長から奪った「カネ・家・命」 一人で経理を担当し11億5000万円着服

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返済は現金

 兵庫県伊丹市にある「岸運輸」で経理を任されていた岸田蓉子が、11億5000万円もの大金を着服した。そればかりか、社長を自殺に追い込み、ウソの借金のカタに自宅まで奪っている。経理担当者の横領事件でここまであくどいケースは稀である。

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 現社長の岸正和氏によると、岸田を雇い入れたのは1997年。当時は正和社長の父が社長だった。岸田は入社当初、豊中の自宅から自転車で通い、見た目も普通のオバちゃんといった感じだったという。

 ところが、一人で経理を担当するようになり、派手になった。ほぼ全部の指に宝石付きの指輪、200万円以上する高級バッグを十数個も所有し、毎日タクシー通勤。羽振りがよくなった理由を、岸田は離婚で慰謝料が入ったからだと触れ回っていた。

 2007年、正和社長の兄である良和氏が社長に就く。良和氏にとって、先代から経理を見てきた岸田は頼みの綱。資金ショートを起こしそうになると、数百万円を用立ててもらうようになったという。借り入れは会社の口座へと振り込まれ、返済は“税務署の目があるから”との理由で現金で行われたが、実は、これが罠だった。

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