慶大「清原ジュニア」より実力は上! プロ入り狙う3人の“二世選手”の潜在能力

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指名打者としてレギュラー獲得

 社会人野球では、ヤクルトで長く貴重なバックアップ要員としてプレーした度会博文を父に持つ度会隆輝(ENEOS)の注目度が高い。横浜高で1年夏から甲子園出場を果たすと、初戦の愛産大三河戦でヒットを記録している。その後、中心選手として活躍し、昨年のドラフトでも候補として名前が挙がっていたが、指名は見送られ、今年から社会人の名門ENEOSでプレーを続けている。

 シーズン開幕当初は、代打での起用が多かった。しかし、高校卒1年目とは思えない打撃技術が評価されて、夏場以降は指名打者としてレギュラーを獲得。9月に行われた都市対抗予選には全試合でスタメン出場し、チームの本大会出場に貢献している。

 高校から社会人に進む野手は、相手投手のレベルが一気に上がるほか、バットが金属から木製に代わりことで苦しむケースが多い。それだけに、度会は1年目から結果を残しているのは見事という他ない。体つきは高校時代と比べて、一回り大きくなり、長打力が確実にアップしている。守備と走塁にもうひとつ特徴がないという課題はあるが、このまま結果を残し続ければ、ドラフト指名が解禁となる2023年に再び注目を集める可能性は高いだろう。

 日本のプロ野球界はメジャーと比べると「二世選手」が大成していないと言われている。ただし、日米通算203勝をマークした黒田博樹(元広島など)や、2000年にいきなり新人王と首位打者に輝いた金城龍彦(元横浜など)も父はプロ野球選手である。今回紹介した選手たちも、彼らに続くような活躍をプロで見せてくれることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

2021年11月15日掲載

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