阪神・矢野監督「V逸・CS敗退」の責任について 優勝したヤクルトなどとの比較で見てみると

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電撃解任が繰り返された黒歴史

 この記者Bによると、

「彼の場合、出場試合数こそ梅野を下回っているものの、レギュラーだという認識が自他共にあって試合に臨んでいるのが伝わってきましたね。そこから余裕も生まれ、キャリアハイの打撃成績を残しました。彼が2番や6番に入ることでシームレスな打線が出来上がったと言えるでしょう」(同)

 2人は共に国内FA権を獲得し、その去就が注目されている。

「力のある捕手はマーケットになかなか出てこないから貴重で、正捕手が固定できていない球団は狙いに行くでしょう。特に巨人はすでに調査を終え、アプローチ済みだと思われます」(同)

 正捕手の流出はチームにとって当然痛く、例えば横浜は谷繁元信(50)が去って次の相川亮二(45)が定着するまで、そしてその相川が出て行った後にいわゆる「暗黒時代」が訪れている。

 最後に監督の手腕について。阪神の矢野燿大監督の来季続投は、すでに決定された。

「一時は複数年契約を結び、長期政権を託す方向などと報じられましたが、その後のV逸とCS完敗で雲行きが怪しくなっているという感触はあります。阪神には球団から続投のお墨付きを与えられても電撃解任が繰り返された黒歴史があり、矢野監督は来季に向け危機感でいっぱいのはずです」

 と、記者C。

監督人事に影響しそうな点

 他方、先の記者Bは、

「12球団最多の77勝を挙げても優勝できず(※優勝のヤクルトは73勝)、CSも突破できないというのではトップを変えるべしという声がフロントから上がっていたとしてもなんら不思議ではない。絶対的な守護神のスアレス(弟・30)は来季のメジャー挑戦が取り沙汰されており、今年限りの可能性がある。それだけに今季は優勝の千載一遇のチャンスなどと言われ、実際、彼に極度に依存した戦い方をしましたがうまく行かず……。その点ヤクルトには、先発のスアレス(兄・32)や田口麗斗(26)を後ろに回す柔軟性がありましたね」

 と指摘する。

 要するに、守護神が流出した場合の責任を指揮官が負うことはないが、彼なしの勝ち方を今季のうちに模索できなかったのは監督への信頼度に影響しそうというわけだ。

「藤浪晋太郎(27)をうまく再生できないかとトライする姿勢はありましたが、奏功しませんでしたね。投げ方を少し変えるだけで脱皮できるのにもったいないと言う評論家は割といるんですが、コロナ禍もあってコミュニケーションがままならないのかもしれません」(先の記者B)

 梅野捕手は打率こそ.225だったが、得点圏打率はリーグ2位の.321。スアレス投手は62試合に登板して62回1/3を投げ、防御率1.16、セーブは42だった。

 これだけの実績がある選手たちを他球団が狙うのは当然。監督からすればその穴埋めだけでも頭が痛いことだったろうが、それに加えてCS敗退で「原監督との実力の差」を指摘する声も聞こえて来る始末。「77勝」の栄光はすでに忘れられつつあるということか。

デイリー新潮取材班

2021年11月10日掲載

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