松坂桃李が明かした「まだローンを組めない」現実 過去の「芸能人vsローン」トラブルを振り返ると

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「アカデミーでもこの仕事はローン組めない」

 俳優の松坂桃李(32)が「松坂桃李のオールナイトニッポン」に出演し、いまだローンが組めないと衝撃告白した。売れっ子女優の戸田恵梨香(33)と結婚し、共働きカップルとなっても金融機関の判断は厳しいということなのだろうか。ひるがえって、これまで俳優やタレントはローンとどう向き合ってきたのか。かつての芸能人のローンを巡る人間ドラマをトラブルも含めて振り返ってみた(文中敬称略)。

 まずは、23日深夜に放送された内容をざっとおさらいしておこう。

 通常この枠は、松坂の所属事務所の後輩・菅田将暉(28)がパーソナリティーを担当しているが、菅田が夏休みのため、松坂が代打出演した。冒頭で「菅田将暉が今日お休みで、その代わりに僕がしゃべらせてもらえる。本当に菅田将暉ファンの皆様、大変申し訳ありません」と語り始めた。

「私、松坂桃李は俳優でございます」と自己紹介した後、「日本アカデミー賞的にはですね、2019年に最優秀助演男優賞。2020年に最優秀主演男優賞をゲットしております。なのでそこらへんは信用してもらって大丈夫な俳優ですね……ただローンは組めない。そうですねまだローンは組めないですね。アカデミー(賞受賞)でもこの仕事はローン組めないのかな……頑張るしかない」と続けた。

 芸能記者に聞くと、

「松坂さんらしい素のコメントでしたね。普段から浮いた噂もなく地味で、休みがあってもずっと家にいてゲームなんかをしているタイプなんです。戸田さんとの交際がなかなかバレなかったのはそういうキャラの影響もあったと思います」

不祥事を起こすとなかなか復帰できない

 それにしてもこれだけの人気俳優ですらローンが組めないという「告白」は本当なのか?

「芸能人がローンを組めないなんてことは全然ないです。しかし、収入が長期的に保証されているわけではないので、いわゆる会社員や公務員とは別のタイプのローン形態になることは珍しくありません。事務所トップが個人的に貸し付けたうえで物件を購入するという形は普通にありました。昔とは違って、芸能人がトラブルや不祥事を起こすとなかなか復帰できず収入を絶たれることもあるし、巨額の違約金が伴うこともある。そのあたりを金融機関は警戒しているのかもしれません」

 公私ともに順調な松坂の「ローンを組めない」は、あくまでも自虐ギャグやリップサービスのたぐいと見ても良いのかもしれない。

 では、ここからは、ローンで苦悩した芸能人を紹介していこう。

 先ごろ死去したタレントのジェリー藤尾(享年81)は、15年間住んだ東京・田園調布の自宅を1993年に手放した。100坪ほどの敷地に、レンガ造りの鉄筋3階建ての建物が立ち、乗用車2台が収容可能な藤尾邸はバブル絶頂時に6億円以上の評価額をつけたが、バブル崩壊を受けてわずか2年あまりでそれが半分弱となっていた。

 彼がこの豪邸を手放すことにしたのは、タレントとの離婚調停にケリがついたからだったという。こういうタイミングで、ローンの話が表に出るケースは少なからずある。芸能デスクに振り返ってもらうと、

「調停の結果、藤尾さんは相手の女性に財産の35%を分与することで話がまとまり、豪邸の土地と建物を担保に2億円を支払ったようです。住宅ローンなどと合わせて負債額は4億円ほどに達していたので売却しようとしていたところへ、バブル崩壊が直撃したというわけです」

 バブルと離婚が絡んだ例で言えば、俳優・三田村邦彦(67)と女優・中山麻理(73)のケースが挙げられる。

 離婚調停でスンナリまとまらなかったのは、事務所扱いになっていた川崎市内の自宅のローンの支払い方法についてだったという。1998年のことだ。

「この土地・建物を売ってローンが完済できるなら問題はなかったのですが、バブル崩壊を受けて売却したとしてもかなりの負債が残ってしまう状況でした。三田村さん個人で払うと税制的には不利だし、三田村さんの前事務所が経費で支払う形にすれば税制上は有利ですが、中山さんとの関係があってややこしい……というような感じでモメていたようですね」(同)

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