習近平「建党百周年式典」に滲み出た「毛沢東の遺志」

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唯一者であることの表象化

 1949年10月1日、建国式典に臨んだ毛沢東は朱徳、劉少奇、周恩来ら共産党首脳陣に加え建国に尽力した民主諸党派幹部を従えるかのように、天安門楼上に、しかも南面して立ち、「今日、中華人民共和国中央人民政府が成立した!」と建国を宣言した。その瞬間、じつは昨日までの同志や支持者は臣下に格下げされてしまった。

 天安門楼上に南面して立つことが許されるのは、「天」の意思を地上に実現する使命を帯びた皇帝(=唯一者)のみ。この中華文明の伝統に則って毛沢東が建国宣言の場を選んだと想像するなら、建党百周年記念式典における習国家主席の振る舞いは、まさに毛沢東に一歩近づいたと思える。...

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