夏ドラマの勝者 「MER」「ナイトドクター」「緊取」そして「ハコヅメ」の意外な共通点

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“緊急”というキーワード

 シリーズものはいずれも警察モノ。もっとも同じ警察モノでは、戸田恵梨香と永野芽郁の「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(日本テレビ系)が人気を呼んでいる。

「舞台が交番で、コメディ要素も交えているところが、他の警察モノとは一線を画しています」

 医療ドラマも好調だ。波瑠主演の「ナイト・ドクター」(フジテレビ系列)は初回(6月21日)の13.4%を皮切りに未だ2桁を維持している。

 鈴木亮平主演の日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS)は14%台を躍進中だ。

「今期は“緊急”、つまりスピード感をウリにしたドラマが成功しています。タイトルだけでも『TOKYO MER~走る緊急救命室~』はじめ『緊急取調室』、『ボイスII 110緊急司令室』と“緊急”というワードが入ったものが3作もある。またタイトルに入っていなくても、『ナイト・ドクター』は夜間“救急”専門医たちが主人公のドラマです」

「ハコヅメ」は、ちょっと違うのでは?

「原作マンガにもギャグが入っており、のんびりしたイメージがありますが、ドラマを見れば、新米の永野は戸田に“行くよ!”と急かされ、緊急出動の連続です。1話に複数の事件が重なり、勤務日誌を書き込む暇もないほど。SNSでは《交番の警察官も忙しくて大変なんだ》《休む暇なんてないんだね》といった書き込みが見受けられます。『ハコヅメ』は1話につきひとつずつ事件を解決するのではなく、実はスピード感のある新たな警察モノだと言えます」

 言われてみれば、「ハコヅメ」も忙しいドラマだ。

「夏ドラマは“緊急”というキーワードを取り入れた、スピード感あるドラマしか視聴率を獲得できていません。ラブコメがウケたからといって、いつまでも同じモノを作っていては視聴者は離れてしまいます。連ドラもバラエティ番組以上にヒットの法則を読み取り、トレンドを取り入れることが必要な時代になったということでしょう」

デイリー新潮取材班

2021年7月28日掲載

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