「鬼滅の刃」の耳飾りを修正させた韓国・VANKが東京五輪で狙う「ディスカウント・ジャパン」

国際 韓国・北朝鮮 2021年7月12日掲載

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「日本による歴史の歪曲」をあげつらい

 韓国通なら「VANK」と聞いてピンとくる人もいるだろうか。「Voluntary Agency Network of Korea」のアルファベットの頭文字を取ってVANKを名乗る韓国の民間団体で、直近だと、「鬼滅の刃」の主人公の耳飾りが旭日旗模様だと物言いをつけたことが話題になった。結果、韓国での上映版やNetflix版ではそのデザインが修正されたことで、VANKの力を見せつけた格好だったが、東京五輪が近づくにつれ、この団体がその活動を先鋭化させているという。在韓ライター・羽田真代氏によるレポート。

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 VANKは、1999年1月1日に朴起台(パク・キテ)氏によって設立された。「大韓民国の正しい姿」を世界中に広めるため、インターネット等を介して情報宣伝工作活動を行うことを目的とする韓国の民間組織である。

 2005年からは世界に向け、「日本による歴史の歪曲」をあげつらい、国際社会における日本の地位を失墜させることを目的とした「ディスカウント・ジャパン運動」を提唱。竹島問題、慰安婦問題、歴史教科書問題など、様々な事柄について問題提起を行っている。前出の「鬼滅の刃」への異議申し立てはその一例だ。

 この組織が、東京オリンピック・パラリンピックの開催が近づく中で、活動を先鋭化させてきた印象がある。以下にざっと紹介しておこう。

<2019年9月>

 世界最大の署名サイト「change.org」で、“2020東京オリンピックで旭日旗使用を禁止せよ”という旨の署名活動を開始。ドイツのハーケンクロイツと日本の旭日旗は同義であると主張し、ヒトラーに似せたちょび髭姿の安倍晋三前首相が旭日旗を手にした画像を掲載し、賛同者を募っている。こちらは、最近になってVANKがメディアに署名活動を行っていることを再アピールしたことにより、賛同者数が急増。7日15時現在、約74,000人もの賛同が集まっている。

“放射能五輪”と喧伝

<2020年1月>

 完全防護服に身を包んだランナーが、聖火のトーチを持って競技場のトラックを走る姿を描いたポスターを作成。これをソウルの日本大使館建設予定地の壁に無許可で掲示した。東京五輪は“放射能五輪”と喧伝し、日本を訪れれば放射能に汚染されるという根拠もないデマを繰り広げたことになる。

<2021年6月 その1>

 東京オリンピックのホームページ上で竹島を「日本の領土」と表示したことに対し、何も措置を取らない国際オリンピック委員会(IOC)を非難。と同時に、IOCのバッハ会長宛に抗議書簡も送っている。「IOCは日本政府の操り人形なのか」と揶揄するポスターを製作、SNSで拡散させた。

<2021年6月 その2>

 1936年のベルリンオリンピックに出場した孫基禎(ソン・ギジョン)氏を日本のオリンピック博物館で“日本人”として紹介していることに対し“韓国人”と訂正するよう、東京オリンピック組織委員会及び日本オリンピック委員会に書簡を送った(言うまでもないが、1910年8月29日から1945年9月9日まで、韓国は日本に併合されていた)。こちらも「change.org」で同様の内容を掲載、SNSでは孫基禎氏の胸元に“KOREA”の文字を入れたポスターを拡散させている。

<2021年6月 その3>

「Dokdo(独島/日本名:竹島)」と「EAST SEA(東海/日本名:日本海」と描かれた缶バッジ2000個を製作し、東京オリンピック参加者に配布すると発表した。先に触れたように6月には日本の“竹島”、“日本海”表記に関する抗議の書簡をIOCに発送しているが、IOCから「地図に表記された竹島は単に地形的な表現に過ぎず、どのような政治的意図もないことが確認された」と返答があったことを明かしている。

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