パリ協定に強制力という「牙」を与えた気候保護訴訟

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政府・企業が次々に敗訴

 最近ドイツの経済界では、「裁判所は市民が直訴して、政府や企業にCO2削減を強制する『気候保護庁』になったのか」という意見が聞かれる。4月29日にドイツの連邦憲法裁判所が環境保護団体の訴えを認めて気候保護法を部分的に違憲と認定し、CO2削減努力の強化を命じたのに続き、5月26日にはオランダのハーグ地方裁判所が、大手石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルに対し、CO2排出量を2030年までに2019年比で45%減らすよう命じた。

 さらに6月3日には欧州司法裁判所が環境保護団体の訴えを認めて、「ドイツ政府は2010年から2016年まで26の都市で窒素酸化物の濃度がEU(欧州連合)の基準値を上回っていたにもかかわらず、十分な対策を取ることを怠り、EU法に違反した」という判決を下した。...

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