「池田先生に、ついて行こう」キートン山田の篤い信心 「ちびまる子ちゃん」スタッフと交わした約束とは

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 30年以上の長きにわたり、「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系)のナレーションを務めてきたキートン山田(75)がこの度、番組を卒業し、ナレーター業からも引退することとなった。が、その心の支えが、かの「名誉会長」だったことは意外に知られていない。

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 時にまる子にもツッコミを入れるという独特のナレーションに親しみを覚えていた視聴者も多かろう。3月28日放送のエンディングでは「キートン山田さん、ありがとうございました」というテロップが映され、大団円と相成った。

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」(テレビ東京系)、「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)でも知られるキートンは北海道出身。高校を卒業後、上京してコンクリート会社に就職した頃、運命の出会いを果たした。創価学会ウォッチャーによれば、

「キートンさんは9年前、聖教新聞の取材に答えて、職場の先輩の紹介で1965年に創価学会へ入会したことを告白しています」

 件の記事には入会の理由について、その先輩から「祈りとして叶わざるなしの信心だ。やってみるか?」と熱心に誘われたからとあり、こんな記述も。

〈あれは――68年4月。埼玉総合本部幹部会。(中略)名誉会長が登壇した時、経験したことのない安心感が全身を包み込む。「池田先生に、ついて行こう」〉(聖教新聞2012年7月29日付)

 23歳で声優の仕事をするようになったキートンだったが、仕事がなく内職とアルバイトに明け暮れた30代の時期も名誉会長の言葉に支えられてきたという。要はかなりの古参信者である。

「約束を守りたい」

 創価学会に詳しいジャーナリストの乙骨正生氏は、インタビューが掲載された「時期」に注目する。

「池田大作名誉会長は体調を崩して、2010年から表舞台に出てこなくなった。学会の求心力が下がるのではないかと、内部にも不安の声があり、ネームバリューのあるナレーターを登場させることで若い世代の組織拡充を狙ったのでしょう」

 そうしたことが評価されたのか、現在は芸術部中央委員という肩書も持っており、昨年秋には学会の文化運動に貢献してきたとして、本部から「広布文化賞」を授与されている。

「毎年、功労者に贈られる賞。国でいう春、秋の叙勲のようなものです」(同)

 静岡県の自宅にキートンを訪ねると、“信仰告白”は控えたいとし、こう語った。

「実は『ちびまる子ちゃん』が放送開始になる際、番組スタッフから“子ども番組なので創価学会の話をしないでください”と言われています。その約束を最後まで守りたいと思います」

 9年前、まさにその約束を反故にして聖教新聞の取材に答えたことが信心の深さを窺わせる。なるほど、受賞となったのも頷けるのだ。

週刊新潮 2021年4月8日号掲載

ワイド特集「最後のとき」より

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