今は買いか売りか? 昨秋、すでに「史上最高値」を達成していた「コロナ相場」の“実態”

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日経平均非採用企業にはこんなに優良銘柄がある

 なぜ、多くの投資家が株式市場を見る基準としている日経平均株価と比べて、これだけ上げ幅の差が出たのか。

 日経平均株価非採用で、日経500種平均に採用されている有名企業の株価に動きに、その解がありそうだ。(日経平均非採用・日経500採用有名企業の2020年3月19日終値とその後の最高値:2021年2月10日時点)

●キーエンス:31,570円→59,090円(20年12月29日)=超精密センサーで世界有数
●村田製作所:4,847円→10,835円(21年1月27日)=MLCC(積層セラミックコンデンサ)世界首位
●日本電産:4,962円→14,975円(21年1月26日)=精密小型モーター世界首位。EV分野にも注力
●任天堂:37,230円→67,880円(20年12月17日)=ゲーム機ハード、ソフトの総合首位企業
●MonotaRO:2,839円→6,520円(20年12月1日)=工場・工事用間接資材のネット通販主力

 いずれも文句が付けられないほどの成長企業だ。ご覧の通り、ものの数ヶ月で、恐ろしいほどの値上がりを見せている。

 これだけでなく、「ダイフク(保管・搬送システム世界首位級)」、「スクウェア・エニックス・ホールディングス(「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」などゲームソフト大手)」、「SMC(工場生産工程制御機器で世界首位)」、「伊藤忠テクノソリューションズ(伊藤忠系SI大手、5Gに注力)」、「大塚商会(ITサービス大手)」、「神戸物産(「業務スーパー」運営)」、「ニトリホールディングス(家具・インテリア製造小売りチェーン国内トップ)」など高い成長性と株価を誇る企業も「日経平均非採用・日経500採用企業」だ。

日経平均は経済の実態を示していない

 日経平均は毎年秋に定期見直しが行われるが、入れ替えられる銘柄は1〜2銘柄に過ぎない。値嵩株(株価が客観的に高い株)を多数採用することで、多くの金融商品の基準とされている日経平均が、構造上、急に高くなり、連続性が失われることによる混乱を、選定元の日本経済新聞社が懸念していることが理由とされている。

 いずれにしても、コロナ禍を跳ね返す企業として投資家たちが注目しているこれだけの企業の動向が、日経平均株価に反映されていないところを見ると、日経平均が「経済の実態」を表した指標と果たして本当に言えるか、疑わしく思えてこないだろうか。ちなみに、日経平均と同様のメジャー指数「TOPIX」は、東証1部全銘柄の時価総額の増減を表すことから偏りがないと思われがちだが、同指数にしても時価総額が大きい「金融」「自動車」などのセクター動向の影響を受けていると言われている。

 投資家の目線に立つと、指数が全銘柄の動きを表しているかということよりも、「今」を表しているかどうかが重要になることは言うまでもない。その意味では日経平均は、時代遅れと言っても過言ではないだろう。

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