「嵐・松本潤」は5人目で史上最年長! 「ジャニーズとNHK大河主演」の不思議な関係

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大河ドラマ主演を経た後に

 では、実際に大河ドラマ主演を経たジャニーズにはどんな変化が起きたのか、これまでの例をみてみよう。

「木更津キャッツアイ」以降、等身大の若者の役が多かった岡田准一は、大河ドラマを境に、一気に時代劇や歴史上の人物の役が多くなった。

 石田三成を演じた「関ヶ原」(2017年)をはじめ、現在は、土方歳三を演じた「燃えよ剣」が公開待機中。

「散り椿」(2018年)や「蜩ノ記」(2014年)も時代小説が原作で、ともに黒澤明の助監督や撮影を務めていた人物が監督の骨太作品だ。

 これらはシニア層の集客も多く、劇場には平日昼間も客が多く入るような作品で、アイドルとしての岡田准一を知らない層にも認知が広がった。

 俳優として、アイドル人気に頼らなくてもよい実力と認知を身につけたとも言えるだろう。

 滝沢秀明は、「義経」放送終了直後の2006年春から、主演舞台「滝沢演舞城」を開始。

 これはのちに自身が演出を務める「滝沢歌舞伎」へと発展し、引退後の今も「滝沢歌舞伎ZERO」として、演出を続け、後輩に引き継がれている。

 この舞台では、義経と弁慶の物語が展開されたり「五条大橋」という演目があったりと、滝沢が大河ドラマを経たからこその演出が入っている。

 さらに「滝沢歌舞伎」シリーズは義経の部分に限らず、和太鼓や桜吹雪など、和のテイストがふんだんに取り入れられている舞台になっている。

 そもそもジャニー喜多川の演出は、いい意味での“和洋折衷”の要素が多分にあり、大河ドラマを経たことで、原点回帰を果たしたといったところだろうか。

ジャニーズと元ジャニーズが

 それでは松本潤はどうなるのか――と撮影開始前から考えるのはいささか早計だが、滝沢のように演出家としての幅が広がる――というパターンは大いにあるだろう。

 嵐のライブの演出を担っていた松本潤は、2015年の嵐の「Japonism」というアルバムのツアーで和洋折衷の演出を取り入れている。

 ジャニー喜多川氏に自ら連絡をとり、見に来てもらったといい、これが、氏が見た最後の嵐のライブとなってしまった(*2)。

 演出家としての松本潤には、ジャニー喜多川イズムを引き継ごうという意思が強く見られる。滝沢のように、大河ドラマ出演が今後の演出にプラスに働く可能性は高い。

 さて最後に――ジャニーズと大河ドラマという観点で欠かせないのは、ジャニーズと元ジャニーズの共演だ。
 
 民放の連続ドラマではなかなか起こり得ないその現象が、大河ドラマだとサラっと起きてしまう。

 ちなみに放送中の「麒麟がくる」は、主演こそジャニーズではないものの、ジャニーズ俳優を多く見ることのできるドラマだ。

 徳川家康を風間俊介が演じたほか、長谷川純、井上瑞稀などCDデビューを経ていない30代のジャニーズ俳優から10代のジャニーズJr.まで多く出演。

 さらには彼らの“大先輩”である本木雅弘や、2018年をもって退所した今井翼も出演していた。本木と長谷川にいたっては親子の役だ。

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