トヨタ、次期クラウンのSUV化を検討か 人気低迷が原因で

ビジネス 週刊新潮 2020年12月3日号掲載

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 トヨタ「クラウン」。国内専売の高級セダンで、コテコテのコンサバカーだが、次のモデルで革命的変身を遂げるとの噂が流れている。

「従来のセダンタイプの生産を終了し、2022年から新型の販売を検討中だそうで、外観はなんとSUV(スポーツタイプ多目的車)風に変えるというので話題です」(業界紙記者)

 1955年に初代が登場し、バブル期には年間販売台数が20万台を超えたことも。キャッチコピーは「いつかはクラウン」で、社会的成功を象徴するような車だった。

 ところが最近の国内市場はSUVやミニバンなどの背高車ばかりが売れ、セダン人気は低迷。2019年のクラウンの販売台数は約3万6千台にとどまる。よってテコ入れが急がれたが、トヨタ広報部に訊くと、

「将来の商品計画については、回答は控えさせていただきます」

 この点、自動車評論家の国沢光宏氏は、

「販売店には“次期モデルはセダンではない”との通知が届いているようです」

 と教えてくれる。

「現行の15代目が発売されたのは2年前ですが、当時すでに“これでダメならお終い”という雰囲気がトヨタにありました。クラウンといえば見栄えが売りですが、15代目は基本骨格の制約上、リアシートが狭く、居住性にやや難があるうえ、見た目の押し出しが弱いなど“風格が足りない”感があって人気が出なかった。国内専売車となると相当数売らねばならず、現状は壁にぶちあたっていました」

 さりとて脱セダンなんて。

「いえ、とくに高齢者には、車の乗り降りはセダン型より背高タイプのほうが楽。側面からの衝突を考えても、車高があったほうが安全です。新型はブレイクスルーになるのでは」(同)

 他方、モータージャーナリストの清水草一氏は、

「“信じられないぜ”といった思いですよ」

 と声を大にするのだ。

「クラウンはかつての旦那車のイメージを脱却すべく、スポーティー志向を模索してきましたが、結局は虻蜂とらずです。現行型も往年の保守的な佇まいのよさを失った難が目立ちます。私は、クラウンには無理な若返りなどしないでほしい。むしろ伝統を墨守し、クラシックフォーマルに徹し、それでダメなら国産高級セダンの王たる地位に端座しながら、美しく儚く消えて行ってもらいたいです!」