女性アイドル自殺 「ZOZO前澤」が気を病む理由

エンタメ

  • ブックマーク

Advertisement

 アイドルレスラーの自殺で騒然となったばかりだが、今度は7人組女性アイドルグループ「KissBee」の鷹野日南(ひな)さんが自ら命を絶った。彼女は亡くなる前に、どういうわけかあの「ZOZO前澤」の名をしきりに口にしていて……。

 ***

 彼女が飛び降りたのは7月10日の16時すぎ。その日の朝、〈みんながいてくれたからここまでこれたよありがとう〉と、SNSに書き込んでいた。そして、東京は渋谷の道玄坂にある雑居ビルから、人気(ひとけ)のない駐車場に身を投げたのだった。

 現場近くの飲食店で働く女性は、

「救急隊が必死に蘇生処置をしていました。その横で警察官がしきりにビルの階上を指差していたので、飛び降りと分かったのです」

 鷹野日南さんが20歳という短い生涯を閉じた理由は定かではない。スポーツ紙の芸能担当記者が言う。

「事務所が『KissBee』初代リーダーの“ひなちょす”こと鷹野さんの死を発表したのは3日後でした。“急逝”とだけで死因は明かされていなかった。ただ、SNSに意味深なコメントを残していたのでネットなどでは“自殺では”と噂になっていたんです」

 そもそもこのグループで、

「鷹野さんは14歳から活動していました。ステージでのライブはもちろん、『テラスハウス』のようにメンバーの共同生活を動画サイトで配信してもいた。今年6月からはもとの事務所に所属しつつ、グループの面々でベンチャー企業を立ち上げたんです。彼女は“社長兼アイドル”でした」

 会社名は「zzz.inc.」と書いて「ねむ」と読む。若年層をターゲットとしたマーケティング事業を手掛けようとしていたが、どうやら、この会社が前澤友作氏との接点のようだ。

支援したい

「前澤さんも面接官の人もすごく優しかったし、話を聞いてくれて嬉しかった」

 死の1週間前、鷹野さんは〈前澤ファンド面接終わりのちょす〉と銘打ったLINEライブでこう語っている。前澤氏は今年2月、〈夢ある事業プランやアイデアを持ち合わせた、挑戦意欲と社会貢献意欲の高い起業家〉への支援を謳い、10人の起業家に10億円ずつ提供すると発表。約4千の応募が殺到した。

 彼女もこれに応募し、2次審査まで通過していたのだ。そして3次審査で初めて行われた面接に挑んでいた。しかし、肝心の前澤氏との面接がうまくいかなかったらしく、先のLINEライブで「落ちた気がする」と話し、

「(前澤氏ら)本物の人たちを見て、自分は未熟。本物になれていない」

「忙しい毎日を送っていて、心が追いつかない(中略)やっぱり私はメンタルが弱いので……」

 といった強い落胆ぶりを告白するまでに及んでいた。そして冒頭のような友人知人への感謝の書き込みを遺して逝ったのだ。彼女の死後、メンバーは、“1000人会議”と称するオンライン会議で次のような無念を吐露している。

「前澤ファンドへの応募結果はまだ出ていなかったんですが……」

 実際のところ、面接の結果はどうだったのか。前澤ファンドの関係者に訊ねた。

「鷹野さんが感じ取った通り、面接の結果は芳しくありませんでした。彼女の死を聞いた前澤さんは、驚き、気に病んでいました。そんな中、残ったメンバーたちが、“結局、ビジネスはダメだったけど、日南ちゃんの死を無駄にしないためにも新たに社会事業のような取り組みをはじめたい”と話しているのを耳にし、ファンドとは別枠で支援したいと申し出たそうです」

 SNSで“お金配りおじさん”を自称する前澤氏。果たして、「あしながおじさん」となれるか……。

週刊新潮 2020年7月30日号掲載

ワイド特集「突然炎のごとく」より

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。