真打昇進がコロナで…「立川志の春」が嘆く落語家人生の“不運つづき”

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「何であれ、前代未聞というのは良い事だと思っていましたが、さすがに“真打昇進からふた月以上高座に上がらない落語家”というのでは嬉しくないですね」

 吹っ切れた様子で語るのは、落語立川流の立川志の春(43)。4月1日に真打昇進を果たしたばかりで、本来なら祝いの高座や宴席に引っ張りだこのはずだった。ところが、4月からの2カ月は、自宅に籠って自粛生活を送ってきたという。

「万事すんなりいくタイプではないんです。思い起こせば、二つ目に昇進した時も、披露落語会の直前に東日本大震災に見舞われ、3カ月間の延期を余儀なくされました。結婚披露宴の当日には、大師匠・談志の訃報がニュースで流れました。今度こそは滞りなくと思っていたら、新型コロナによる緊急事態宣言発令期間に披露落語会もパーティーも完全にバッティング。禍福は糾(あざな)える縄の如しとは言いますが、いくら何でも糾いすぎじゃないですか? ああ、やはり自分は披露目(ひろめ)をしてはいけない人間なのだな、と確信致しました」

 ただ、一つホッとしたことは、宣言発令により、パーティー会場であったホテルへのキャンセル代が免除されたことだった。

「あれが免除されていなかったら、昇進と同時に行ってもいないエア披露目によって巨額のリアル借金を背負うという、完全に笑えない状況になっていましたね」

 いまはできなかったことを悔やむより、これからやれることを考えたいと前を向く。

「昇進前は、YouTubeで自分の落語を配信したり、オンライン生配信の会をやるなんて考えもしませんでした。むしろ、“絶対にやらない”と思っていた。それが完全に変わりました」

 真打昇進披露の会も配信で……と水を向けると、「それはリアルで。ただ、その後は二度と披露目はやりません。次は宇宙規模の何かが起きてしまうので!」。

週刊新潮 2020年7月9日号掲載

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