コロナ禍でフジ「27時間テレビ」は中止、“必ずやる”日テレ「24時間テレビ」との差

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大義名分だけじゃない

「いわゆるBIG3(タモリ、ビートたけし、明石家さんま)を擁するフジは、24時間ぶっ続けでバラエティを放送するという番組にした。たけしさんを筆頭に、タレントにギャラが支払われるチャリティ番組は偽善、愛は地球を救わない、と言っていましたからね。実際、第1回の放送は24時間の平均視聴率が19・9%と驚異的な数字を上げました」(同)

「24時間テレビ」の視聴率は初回こそ15%超だったが、その後しばらく10~11%とパッとしなかった。

「結局、テレビ局の勢いって大きいんですよ。『27時間テレビ』はフジの年間視聴率が4位に落ちた2016年以降、1桁に落ちました。今の若い人には信じられないかもしれませんが、82年から12年連続でフジが年間視聴率三冠王を続けていたときには、逆に『24時間テレビ』の視聴率は一桁を連発していました。82年の募金は6億円台にまで減り、91年の視聴率は最低の6・6%にまで下がった」(同)

 それを一変させたのが95年の阪神・淡路大震災だった。前年に7億円台まで落ち込んだ募金はこの年、10年ぶりに10億円を突破した。11年の東日本大震災では、歴代最高の19億8600万円を集めた。

「日テレの小杉社長が3月の定例会見で、『やらないといけないという、我々も使命感を持っておりますので。どういう形になろうが必ずやるという風に考えております』と言った意味はそこにあるのでしょう。『24時間テレビ』にはチャリティーという大義名分がありますからね。コロナ禍が、まさに地球上をむしばんでいる今だからこそ、“愛は地球を救う”が必要だというわけです。昨年の視聴率は16・5%でしたが、今年はむしろステイホームで歴代最高が狙えるかもしれない。毎年恒例のマラソン企画だって、別にこだわる必要もありません。ステイホームでできる企画を考えればいいだけのこと。無観客でしょうから、武道館や両国国技館といった大箱にする必要もない。日テレが持つ“番町スタジオ”など複数のスタジオを使えば、むしろ安全です。6月からはドラマの収録も再開されましたから、ドラマスペシャルだって間に合うでしょう。今年の総合演出は『しゃべくり007』や『人生が変わる1分間の深イイ話』を演出する上利竜太さんですから、面白くなるんじゃないですかね」(同)

 大義名分に加えて、局の勢い、そしてコロナが、名物番組の命運を分けたようだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月7日掲載

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