海外でも30名以上が自殺 木村花を追い詰めた「リアリティショー」番組作りに問題はなかったのか

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イギリスでは社会問題に

 彼らが死に至る経緯はそれぞれ異なり、花さんのケースとひとくくりにして論じることはできない。しかし、リアリティショーの中で出演者たちのプライバシーが過剰にさらされ、メディアやインターネットでの誹謗中傷が彼らの心を蝕んでいるという構図は同じだ。さらに、本来出演者の立場を守るべき番組側が彼らの異常を感知することができず、あるいは見過ごしたことで、最悪の事態を招いているという点も共通している。自殺までいかずとも、精神的、肉体的に大きな負担を強いられているケースは数えきれないだろう。

「一般人を番組に出演させ、彼らの素の反応を楽しむというリアリティ番組がこれまで以上に流行し、世界中で娯楽として消費されるなかで、出演者のケアは各国で社会問題にまで発展しています。イギリスでは、上記の自殺を受けて国会議員、精神科医などを巻き込んだ議論が起こりました。今後、日本でも番組を監視する体制を築いたり、出演者のケアを行う心理学者の同行を義務付けたりするなど、構造的な変化が求められるでしょう」(同)

「テラスハウス」の爆発的流行の影響で、日本でもここ数年、恋愛リアリティ番組が乱造されている。なかには、人間の本性を暴き出す面白さから、視聴率的な成功を収めているものも多い。しかし、その弊害が可視化された以上、視聴者の過激な反応を煽るような番組作りに対し、見直しが必要なのは間違いないだろう。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月25日掲載

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