新型肺炎も口実に? 世論無視で“愛子天皇潰し”を狙う安倍政権

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「愛子天皇」議論を闇に葬った安倍官邸(2/2)

“男系男子を維持すべき”“女性・女系天皇容認への入り口になりかねない”ことを理由に、安倍政権には女性宮家創設に反対する考えが根強い。だが、世論調査では「女性天皇に賛成」との答えが8割。ゆえに「何もせずにやり過ごし、次世代へと先送りしたいというのが政権の本音」(官邸関係者)だという。一方で、これらを検討する付帯決議がある以上、議論は避けられない。政権中枢からの“リーク”と思しき読売新聞記事には〈非公式に学識経験者らに接触〉〈有識者懇談会も設けない方向〉などと記されていた。

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 首相のブレーンである八木秀次・麗澤大教授によれば、

「男系派・女系派を問わず広く意見を募って“両論とも検討した”という形を整えておくはずです」

 では実際に、どんなメンバーが「意見聴取」されるのだろうか。先の官邸関係者が明かすには、

「警察庁出身で、官邸で政権のかじ取りを担う杉田和博官房副長官は、年末に皇室を研究対象とする専門家の名を複数挙げ、『正月休みの間にその人たちの著書を読まなければならない』などと話していました。その著者の方々には、直接の事務を担当する『皇室典範改正準備室』から、のちのち連絡が入ることになると思われます」

 所功・京都産業大名誉教授や笠原英彦・慶応大教授など、これまでの有識者会議に携わってきた碩学とともに、副長官の“読書リスト”の一人に挙げられたのは、名古屋大学大学院の河西秀哉准教授。皇位については“男女の別なく長子を優先すべき”との立場をとっており、「リベラル派にも意見を聞いた」という口実のための人選ともみられるのだが、本人に聞くと、

「現在のところ、私には何の連絡もありません」

 としながら、

「世間は女性・女系支持ですが、男性・男系に強く固執する人たちもいて、対応次第では後世、何を言われるか分からない。今回、水面下のヒアリングにとどめたのも、そこに理由があるのではないでしょうか」

 一方で先の八木教授によれば、「女性・女系天皇」が国民の目に触れぬまま事実上、闇に葬られようとしている理由の一つとして、

「総理は、他ならぬ天皇陛下のご意向でもあると捉えています。というのも、かつて小泉政権が女性・女系天皇を容認しようと皇室典範改正を進めていた頃、当時皇太子だった陛下が『ちょっと待ってほしい』と漏らされたと報じられました。出来得る限り男系で維持しなければ、というお気持ちが陛下にあるのは確かでしょう。そして、陛下と総理は現在、非常に良好な関係にあるのです」

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