中井貴一が「記憶にございません!」の番宣で見せた“意外な顔” 業界から驚きと賞賛

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実はキャラの認識違い

 続いて「TOKIOカケル」(フジ)では、ノリツッコミまでかます。国分太一(45)から「4対4の合コンに誰呼ぶ?」との質問が出ると、

中井:自分の他に、弁護士、医者、会社社長かな。

松岡昌宏(42):大人のやらしさが見える……。

中井:確かに……。やらしいもん! 大体、合コンがやらしいだろ! やらしさしかねーだろ! (少し落ち着いて)会話が一色になるのが面白くないから。芸能人ばかりで、芸能の雰囲気出すとね……。

TOKIO:それで、弁護士、医者……。

中井:お前ら、それ、なぞるなよ! (考えを改めて)三谷幸喜、佐藤浩一、俺、そして(映画共演し、中井と一緒にゲストの)濱田龍臣(19)。同世代の中で、どれだけ女子が濱田に行くんだろう。

国分:でも、本当は、医者……。

中井:太一! 言うんじゃない!

――その後、中井が通う名店を紹介。中でも京都の“牛ハリハリ鍋”はスタジオで中井自身が調理。

長瀬智也(40):やっぱりこういうお店には、医者とか弁護士……。

中井:俺が京都で仕事してる時に、医者とか弁護士、いるわけねーじゃねえか!

 ツッコまれても自在なのである。さらに「直撃!シンソウ坂上」(フジ)ではボヤキ芸も見せた。出世作「ふぞろいの林檎たち」(TBS)の思い出話になり、鬼演出家と言われた鴨下信一氏(84)について坂上忍(52)が話を振ると。

中井:朝9時に“はじめまして”と顔合わせ、脚本読み、それから立ち稽古……家に着いたのは(夜)11時。この間、怒鳴られっぱなし。俺、その時に引退を考えたもん。(それに比べると)今の子たちは、ズルいよ。(みんなが)優しいもん。働き方改革とかさあ、パワハラ、セクハラって何なんだよ! もっと早く作れよ!

 この変幻自在な芸風に、とまどった方も少ないくなかったのではないか。中井のデビューは、映画「連合艦隊」(81)での特攻隊員役である。「ふぞろいの林檎たち」(83~97)では三流大学の生真面目学生がハマっていた。NHK大河「武田信玄」(88)では知将・武田信玄を演じて、平均視聴率39・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は歴代2位。真面目な印象が強いのだ。なにより二枚目俳優・佐田啓二(1926~1964)の息子である。

 だが、それが思い違いだったと知ることになるのは、「ボクらの時代」の後編(9月15日)だった。三谷と佐藤、そして中井の鼎談で、三谷が「記憶にございません!」撮影時に見た、2人の違いについて語り出す。

三谷:現場に入った時に空気感とか、5分以上の2人の長回しシーンの違い。浩市さんはイメトレをしっかりしてくるんだけど、想像していた場所と違うと、1人残ってシミュレーションをして本番に。

佐藤:意外にそういうタイプじゃないと思われがち……。

三谷:(佐藤に向かい)そうなんだよね、この人はすごく考える人だなと思って。(それから中井に向かって)あんまり考えない……。

中井:本当にその通り。俺らは見た目と逆なんです。俺は緻密さで売ってるような……。

三谷:自分でそう思ってたんですね。

中井:ある意味、いい加減、そのままポーンといくタイプ。

三谷:緻密な佐藤、行き当たりばったりの中井。

中井:もうちょっと、言い方ない?

 実は、そういう人らしい。ならば、支持率がたった2・3%しかない史上最低のダメ総理が、投石が当たって記憶喪失となり、悪徳政治家から善良なおっさんへと変わる映画「記憶にございません!」は、ある意味、ハマリ役なのではないか。

週刊新潮WEB取材班

2019年9月19日掲載

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