神戸・大丸での自衛隊イベントを中止に追い込んだ「新日本婦人の会」の正体

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共産党の歴史を知らない

 新日本婦人の会は、1962年設立。女性と子供の権利・生活向上、平和、護憲を目的とした任意団体で、メンバーは20万人(880支部)にも及ぶ。韓国人慰安婦への謝罪と賠償を求める運動を国際的に展開したり、オスプレイの配備、辺野古への米軍基地移転に反対している。機関紙「新婦人しんぶん」(週刊)や「月刊女性&運動」を発行している。

「自衛隊をそこまで忌み嫌っているのなら、自衛隊解散の運動をやってみたらいい。それをやらないのは、世間では受け入れられないとわかっているからでしょう」

 と、先の筆坂氏が続ける。

「そもそも、新婦人の人たちは、共産党の歴史を知っているのでしょうか。共産党はもともと、中立、自衛の立場で、軍隊を持つべきとの立場でした。そして、憲法9条には反対でした。野坂参三共産党元議長は、9条について真っ向から反対する演説をしていますよ。ところが、共産党の地方議員でさえ、そのことは知らない人が多い。まして新婦人は、なにもわかっていないでしょうね。憲法9条は“世界の宝”と書いたプラカードを掲げて憲法擁護のデモ行進をしているんですからね」

 共産党は、現憲法が制定された時(1946年11月3日)、政党として唯一反対した。国の独立には自衛権と軍事力が必要と表明し、野坂は9条について、「われわれは、このような平和主義の空文を弄する代わりに、今日の日本にとって相応しい、また実質的な態度をとるべきであると考える。(中略)それゆえに我が党は民族独立の為にこの憲法に反対しなければならない」と、演説している。

「彼女たちは、戦争では丸腰になると主張し、安全保障などという考えは持ち合わせていない。こんな団体から抗議を受けたからって、本来は屈服してはいけません。せっかく自衛隊を呼ぶのだったら、事前に、抗議が来ることも想定して、論破できるよう準備しておくべきでしたね」(同)

週刊新潮WEB取材班

2019年8月1日号掲載

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