コパアメリカでスポーツ紙は「久保建英」を絶賛、過大評価で無責任と言われる理由

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「東京五輪は久保中心」はウソ?

 久保、久保、久保……。確かにスターが誕生した。仕方ないのかもしれない。しかしながら「コパアメリカブラジル2019」では、日本代表が負けても引き分けても、常に久保建英(18)が報道の中心だ。これに首を傾げるファンも少なくないのではないだろうか?

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 まずは試合を振り返ろう。日本時間で18日に行われたチリとの初戦は0−4の完敗。21日のウルグアイ戦は2−2の引き分けに終わった。

 今回の日本代表は若手中心で、戦力不足を指摘する声は開幕前から根強かった。森保一監督(50)は会見で「所属クラブは派遣義務のない大会なので難しかった」とベストメンバーに遠いことを認めている。

 更にチリ戦の場合、森保監督はスタメンに東京五輪世代の8人を起用し、そのうち6人が初のA代表だった。これでは2015年と16年、コパアメリカを連覇した強豪チリに屈辱的大敗を喫したのは当然と言っていい。

 ところがスポーツ紙を見れば、日刊スポーツとスポニチは19日の1面で久保を絶賛した。見出しはそれぞれ、以下の通りだ。

「世界絶賛デビュー久保 完敗も『輝き』股抜き『最高』2人抜き『偉大』 悔しいシュート『言い訳すればボール緩くて少しずれた』」(日刊スポーツ)

「久保0−4の光 翼になったバルサMF置き去り V3狙う南米王者チリ認めさせた“日本の顔” 漫画みたい!? ドリブルで2人かわしサイドネット直撃シュート 『キャプテン翼』のモデルがプレーした地で魅了 最年少18歳13日公式戦 初先発トップ下フル出場も決定機外し自分に怒り『非常に腹立たしい』」(スポニチ)

 更に日刊スポーツは6面に「攻撃に『久保モード』を 東京五輪で勝つための課題」との署名記事を掲載した。

記事は《五輪まで残り約1年間。今大会の最低残り2試合も含めて複数の起用法を試し、最大限に力を出せる「久保モード」のような切り札的オプションを作るのも1つだ》と提言。東京オリンピックのため「チームけん引存在」と期待を込めた。

 0−4で惨敗したことも、ネット上では「五輪強化のために仕方がない」と理解を示す書き込みが少なくなかった。

 だが、ちょっと待て、と言いたい。そもそも久保は東京五輪に出場できないリスクがある。それを無視した報道を行っていいのだろうか?

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