「ZOZO株価」4875円→1698円 株式評論家は今後の株価をどう見ているか?

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株式市場は“疑心暗鬼”

 投資家も人間だ。冷静に分析をすることもあれば、感情に突き動かされることもある。ZOZOの株価復活を阻む要件の1つに、個人投資家の前澤社長に対する“反感”も無視できないという。

「前澤社長が月旅行を発表したり、100億円の還元を行ったことに、投資家が異議を示すようになってきたのです。増収増益なら何も言われないでしょうが、実際は減益です。『そんなカネがあるなら、株価を回復させろ』と怒りが爆発してしまう。要するにCM効果より、世論の反感が上回るようになったのです。前澤さんが、しばらくツイッターを休むと宣言したことで株価が上昇したのは、決して偶然ではありません」(同・植木氏)

 個人投資家の年齢層も重要だ。日本証券業協会が2016年に発表した調査によると、個人投資家の56%が60歳以上のシニア層。彼らは“電子商取引”に批判的な考えを持つ傾向が強いのだ。

「『試着しなくともスーツが家に届きます』というメッセージを、20代や30代は歓迎するでしょう。しかし年輩の投資家は、『やっぱりスーツは自分で試着して購入したい』と考えてしまう。ZOZOの理念がシニア層に届きにくい傾向があることも、株価回復を阻む要因になると思います」(同・植木氏)

 とはいえ、2月12日、ZOZO株の出来高は約2600万株。植木氏は「これほどの規模ですと、市場が底値と判断した可能性があります」と指摘する。

「ZOZO株は人気があるので、前澤社長が楽観的な見通しを発表したりすれば、すぐに上昇する傾向があります。実際、短期的には2200円台となる可能性も充分にあるでしょう。一方で、『本当のところ、ZOZOの業績はどうなんだ?』という疑心暗鬼が市場には燻っています。今後ももみ合いの続く株価になるのは間違いないでしょう」

 ZOZOの株価上昇は、東京市場全体で買い戻しが行われたことに、うまく乗れたという側面もあるようだ。12日午後には1856円と更に値を上げたが、その後は下落。15日は1677円からスタートするなど、まさに植木氏が指摘した「もみ合い」が続いている。

 果たしてZOZOが売上という“実力”で株価を戻すことができるのか、多くの注目が集まっている。

週刊新潮WEB取材班

2019年2月16日掲載

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