どうなる「大谷翔平」手術 “トミー・ジョンの巣”エンゼルスも二の足

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 手術すべきか否か――右肘を故障したエンゼルス・大谷翔平(24)について賛否が二分している。

“手術”とは他所の腱を移植するトミー・ジョン手術のこと。メジャー投手の3分の1が経験するポピュラーな手術で、松坂やダルビッシュも受けている。

「一般に、腱の断裂の度合いが10%を超えると手術すべきだと言われています」

 とメジャーリーグ研究家の友成那智氏が解説する。

「エンゼルスは手術をためらっていますが、きっと症状が軽いのだと思います。現在受けているPRP(多血小板血漿)注射による治療の効果が出ているのかもしれません」

 一見、朗報に思えるが、事はそれほど単純ではない。

 手術すると復帰まで12〜16カ月を要するが、実は術後に“おまけ”がつくのだ。

「手術は若い年齢で受けるほど回復が早く、20歳代で受ければ、2割の投手が復帰後球速が増しています。一方、30歳を超えてからでは、球速が低下してしまい、選手生命を縮める。上原や斎藤隆が手術を回避したのはそのためです。米国の主要メディアは“若い大谷は早く手術を受けるべし”と主張しています」

 だが、エンゼルスは大谷の手術を保留し、打者としてのみ復帰させようと画策している。年俸わずか約6千万円の彼をこき使い、何なら潰しても構わないとでも思っているのか。

「たしかに、最初の3年は年俸調停権がないので低年俸で使えますが、実働換算なので、手術しても球団は損しません。エンゼルスにとってもせっかく拾ったお宝ですし、6年の保有権があるので大事にしたい」

 実は、エンゼルスは大谷以外の先発5人のうち4人が肘の手術経験者で、今季も既に3投手がトミー・ジョンを受けている。つまり、投手の肘にメスを入れることに抵抗がないチームなのだ。それでも大谷に手術させないということはやはり軽傷なのか。

「いや、大谷は、肘に大きな負担がかかるスプリッターとスライダーを多投するので、遅かれ早かれ受ける宿命にあると思います。なので、長期的にはいま手術を受けた方がトクです」

 7月下旬に再び診断して決めるというのだが……。

週刊新潮 2018年7月12日号掲載

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