新生児取り違え事件をカネで隠蔽した順天堂 被害男性は「これ以上喋れないんです…」

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「そこまで知ってるの!?」

 一方、取り違えられた被害者の男性は、小林義之さん=仮名=としておこう。 その自宅を訪れたが、

「お引取りください」

 と、取りつく島もない。ところが何度目かの訪問で、インターホン越しに、本誌(「週刊新潮」)がつかんだ取り違え事件の概要を多少伝える機会を得た。すると、

「そこまで知ってるの!?」

 と、仰天した様子が伝わってきた。記者が関係者から入手した情報をたたみかけるように伝えると、しばし躊躇したのちに、

「そこまでご存じなのなら、もう隠せないですよね。たしかに、あなたがおっしゃる通りです。もちろん、本当の親がだれなのか知りたいし、知らないままで生きていくなんて、あまりに苦しいと思っている。もう80歳近い母も、本当の息子に会いたくて仕方ないんだけど、このままでは間に合わないかもしれません。でもね、順天堂との約束があるから、あなたにこれ以上は喋れないんです」

 小林さんが喋れないなら、順天堂が過去の事件を公にし、入れ替わった2人がいまからでも人生を取り戻せるように力を尽くすことこそ、医療者の倫理というものではないだろうか。

【動画】後の取材に口を開いた被害者

週刊新潮 2018年4月12日号掲載

特集「闇に葬られた『新生児取り違え事件』 『順天堂大学』はカネで被害者の口を封じた!」より

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