「再び5人が揃うまで」SMAPファン極秘集会“潜入”レポート

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SMAPは私たち

 時には感極まって涙が頬を伝うこともあったというが、前半最大の山場は、SMAPの「手を繋ごう」が流れた時だった。この曲がライブで流れると、ファンは手を繋ぎ、頭上に掲げる。「秘密集会」でも同じように手を上げながら、女性はSMAP解散について思いを巡らせた。

「結局、メンバーは解散について、何も語っていないわけです。本当に乱暴なやり方で解散させられましたが、もしメンバー全員が自分の言葉で理由を話してくれれば、私たちは『ありがとう、これからも応援するね』と言えたでしょう。でも、様々な理由から、メンバーは何も言えない。陰のメッセージを伝えようとしてくれているのかな、と推測した場面もありましたけど、とにもかくにも、私たちは、こうやって手を繋ぎながら、いつかメンバーが話してくれる日を待つんだなって、そんなことを考えていましたね」

 盛り上がりのうちに、前半は終了。

「後半は、SMAPの曲制作に携わった方が、メッセージを用意してくれていたんです。再生されると、自分が参加した楽曲をSMAPのメンバーが歌ってくれた時は、どれだけ嬉しかったかという内容で、さすがにこの時は、ファンの全員が号泣でした(笑)」(同)

 改めて疑問が浮かぶ。たとえ解散したとしても、ファンの心が全く離れていかないのは、なぜなのだろうか。なかなかあることではないだろう。

「率直に言って、SMAPより歌が上手な人は他にいくらでもいます。ダンスだって同じです。おまけにSMAPは、ちょいちょいスキャンダルをやらかします(笑) でも事件を起こしても、危機的な状況に陥っても、彼らは私たちの方をしっかりと見てくれて、『これからはこうします』と話し続けてくれました。そこが違いますね。やっぱりSMAPは私たちなんです。私たちと変わらないミスをする人間であり、その上でスターでもある。こんなグループは他にはいません」(同)

 SMAPは節目、節目で、お祝いムードに自分たちも水を差してきたことは、よく知られている。91年のCDデビューから5年目の96年には森且行が脱退。10年目の2001年には稲垣吾郎が道交法違反などで現行犯逮捕。15年目の2006年は何事もなかったが、20年目の2011年は東日本大震災が発生。そして25年目の2016年は解散騒動……という具合だ。やはりファンはトラブル慣れしていると言えば失礼だが、どっしり構えて受け止める余裕を持っているのだろう。

「だから何があってもSMAPのファンは、他人の悪口を言わないんです。事務所に悪態をついたり、黒幕を罵ったりしない。この日のイベントも、最後は元気で楽しく、再びSMAPの5人が揃うのを待っています、という形で終わりました」

 人目を忍びながらも、会場の中は夢と希望に満ち溢れている――記者が思わず、小説『沈黙』(遠藤周作・新潮文庫)を思い出し、「隠れキリシタンとか、古代ローマの地下礼拝みたいですね」と言うと、ファンの女性は笑ってはくれたが、「SMAPのファンであることを隠してはいません」と叱られてしまった。

 大人の事情で解散したグループを、大人のファンが今でも支えているというのは、よく考えてみれば不思議な構図だ。月並みだが、こんなファンを持ったSMAPは、本当に幸せなグループだろう。

週刊新潮WEB取材班

2017年9月24日掲載

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