“世紀の発見”か「エジプト」発掘のテロ危険度

国際週刊新潮 2015年12月17日号掲載

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 古代エジプト三大美女を御存知か。クレオパトラにネフェルタリ、ネフェルティティだそうだが、クレオパトラが紀元前1世紀の人であるのに対して、ネフェルティティが生きたのはなんと紀元前14世紀。1300年以上の時を隔てた人物を一括りにするのだから悠久の国はさすがである。

 そのネフェルティティの墓が発見か、という報が11月28日、世界を駆け巡った。

「イギリス、日本などの国際調査団がツタンカーメン王の墓をレーダー探査したところ、奥に隠し部屋らしきものが見つかりました。伝説の王妃ネフェルティティはツタンカーメンの義母ですが、墓が見つかっていない。調査団は王妃の墓とみています」(国際部記者)

 古代史の謎に迫る品々の発見も期待されるのだ。

 早稲田大学名誉教授の吉村作治氏は言う。

「ツタンカーメン王は父王の代のアテン信仰をアメン信仰へと大転換した王。先代の王妃と一緒に葬られるものか、そこは疑問です。もし王妃の墓なら“世紀の大発見”でしょうが、解明には時間が必要です」

 テロの危険はないのか。

「エジプトで活動するイスラム国の一派がいますから、ゼロとは言えないでしょうね。戦場が近くなってきているのも確かです。私も50年間発掘調査をしてきて、クーデタも戦争も味わいましたからわかります。発掘現場は軍に、宿泊施設は保安警察に守ってもらっていますが、日本を発つ際には私も“何が起こっても自らの責任です”という内容の誓約書を書いてゆきますよ。欧米の調査団はテロを恐れてほぼ撤退してしまいましたが、日本人だからできることもあると思うんです」

 覚悟の上で悠久の謎に挑む篤学の士に天のご加護を。