“ファンクラブ2000人”なのに母国からは叩かれる韓国「イ・ボミ」

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 4人姉妹の次女に生まれた韓国出身のイ・ボミ(27)の育った環境は、決して恵まれたものではなかった。が、“艱難(かんなん)汝を玉にす”の言葉通り、今や日本での獲得賞金が5億円を超える賞金女王である。2年前には4億円でビルを購入、故郷に錦を飾った彼女だが……。

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“Grab The Queen”、すなわち“女王を摑め”という意味の文字とイ・ボミの似顔絵が描かれた大きなタオルを掲げて、彼女にアピールする者。そして、放たれたボールが落下しそうな地点に先回りして、“Good Shot!”と声を張り上げる者。彼らは公認ファンクラブの面々で、その数は2000名にも達するという。

「彼女は小柄で親しみやすく、かわいらしい。それが人気の秘密です」

 と言うのは、ツアーに帯同するカメラマンのひとり。確かに彼女は158センチ、56キロと同郷のライバルと比べてひと回りは小さい。

「下は30代から上は70代まで、応援しているのはほとんどがおじさん。“アイドルのおっかけ”のようでもありますが、彼女はとてもうれしそう。たとえば、サインを拒否する選手がいるなかで、10分でも20分でも応える。だから、多い時で300人くらいが彼女のサインを求めて列を成す。ファンの数は間違いなく日本一でしょう」(同)

「傍らに通訳がいるものの」

 と、これは専門誌記者の話である。

「本人はできるだけ日本語で話そうとします。相手にうまく伝わってないなというときだけ通訳を頼る。とにかく、日本に溶け込もうという姿勢がびんびん伝わってくるのです」

 なるほど、その懸命さがファンにはたまらないし、あるいはそれゆえに、おじさんたちは夢中になるのだろう。

■押しなべてネガティブ

 来日当初こそ、米メジャーへの意欲を口にした彼女も、目下それを封印。かわって今年夏には、大要こんな発言をしている。

〈いま韓日関係がそれほど良くないけれど、ギャラリーの方々は韓国人であるわたしを応援してくれる。それがうれしいから、このまま日本で引退したい〉

 ところが、これを知った韓国側の反応は押しなべてネガティブなもので、

「“国を捨て、日本に魂を売ったのか”と悪しざまに言われてしまった」(同)

 日韓の“糸”の方は、あたかも藤のつるのように、もつれたままだ。ウン億円もの財産を、雪解けもままならぬ日本でしこたま蓄えた成功者への嫉妬も手伝ってのこととはいえ、祖国からの風当たりは彼女をいたく落ち込ませたのだった。

■父親の遺言

 それでも名実ともに日本のトップに君臨する彼女。その恋愛事情はどうかというと――結論から明かせば、ゴルフに打ち込む余りデートさえままならないと言う。

「数カ月前、マネジメント会社の御曹司との結婚話が出て、我々を走らせたこともありました。が、事実ではなかったようです。彼女は仕事であるゴルフに対してストイックであり貪欲。試合が済んだ翌日の月曜日以外はクラブを握るし、その月曜日だってほとんど寝て休養にあて、羽目を外すことがほとんどないのです」(前出・担当記者)

 どうやら彼女の眼中に白馬の王子の姿はなく、

「昨年9月に胆のうがんで亡くなった父親の遺言が、“日本で賞金女王になれ。韓国代表でリオ五輪に出ろ”だった。前者はクリアしたものの、後者については、メジャー通算17勝を誇る朴仁妃(パクインビ)を筆頭に韓国勢は粒より。もっとも来年、イ・ボミは少ないながらもメジャーに参戦予定です。そこで好成績を収めれば、出場権獲得圏内に食い込むことも不可能ではない」(同)

 父の願いを叶えんと、家族愛の物語に新たな章が紡がれつつあるのだ。

「特集 美人でサービス精神も旺盛! ファンクラブも大盛況! 日本で5億円以上稼いだ『イ・ボミ』に故郷からの風当たり」

週刊新潮 2015年12月3日号掲載

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