児孫に“資産”を! 2016年開始「ジュニアNISA」とは

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 NISA(少額投資非課税制度)が順調に伸びている。金融庁の発表によれば、今年6月末時点での口座開設数は約921万口座と、1年で200万弱の増。買い付け額は累積で約5兆2000億円で、こちらは1年で約3兆6300億円も増えている。

「“貯蓄から投資へ”の流れを作る上で、NISAの導入は大きな役割を果しています」(経済部記者)

 そのNISAが、来年から変わる。未成年者用の“ジュニアNISA”が登場するのだ。

 ジュニア、という冠がついているが、大人でも難しい資産運用を子供にやらせる、というものではない。

「お子様やお孫様の、長期に亘る資産形成のための制度であり、長期投資が基本となります」(金融庁)

 そもそもNISAはどういった仕組みなのか。

「昨年1月に始まったもので、年間100万円まで(来年からは120万円)の投資額から得られる売却益や配当が、非課税となる制度。非課税期間は5年間です」(先の記者)

 つまり毎年100万円ずっ、最大500万円の投資が可能だ。非課税期間が終わると、その時点で保有している資産は、特定口座などの課税口座に、その時の時価で払い出されるのが原則だが、引き続き保有する場合は、翌年の100万円の枠を利用できる(ロールオーバー)、というものだ。今のところ、2023年までの期限付きの制度である。

■大人が運用して増やす

 では、ジュニアNISAとはどういうものか。

「日本に住む0歳から19歳の未成年者名義で、この口座を作ることができます」(金融庁)

 具体例で考えてみよう。来年、13歳と7歳の兄弟のためにジュニアNISAを始めるとする。まず、証券会社等に口座を開設することになるが、

「ひとりにつき、課税未成年者口座と未成年者口座のふたつを開設します」(同)

 NISAでいう特定口座が課税未成年者口座に、NISA口座が未成年者口座に当たる。運用資金は課税未成年者口座に入れる。

 ここで注意しなければならないのは、税金だ。

「祖父母や両親がいったん子供名義の銀行口座などに入金し、ここから課税未成年者口座に移しかえるのが原則です。ただし基礎控除額110万円を超えると、贈与税の課税対象になります」(同)

 ジュニアNISAの年間投資上限額は80万円。ふたりの課税未成年者口座に、さっそく80万円ずつ入金した。いよいよ運用開始だ。

「実際の運用は、親権者等が代理で行えます」(同)

 お父さんは、A社とB社の株を40万円ずつ購入して、1年目の上限額一杯を投資する。このうちA社が2年後、60万円に値上がりしたので売却する。20万円の譲渡益が発生したが、これはもちろん非課税である。これが5年続くのはNISAと同じだ。が、

「売却して得たお金は課税未成年者口座に入るのですが、この口座には、名義人である子供が18歳になるまで払出し制限がかけられているのです」(同)

 もし払出しする場合は過去の利益に対して課税され、同時にジュニアNISA口座も廃止される。ここがNISAと違うところだ。

 そして5年後――非課税期聞が終わる時、兄は18歳、弟は12歳。兄に関しては、課税未成年者口座にある現金の払出しができる。この時点で保有している資産は、

「NISAと同じくロールオーバーができます」(同)

 兄の場合、2年後の20歳になると自動的にNISA口座が開設され、NISA制度の終了まで非課税で保有できる。問題は、18歳になる前に制度が終わる弟だ。

「この場合、資産は“継続管理勘定”に組み入れられ、20歳まで非課税で保有できます。課税未成年者口座の払出し制限は18歳まで継続されます」(同)

 なんとも複雑な制度だが、利用法次第で“児孫”のために資産が残せる――。

週刊新潮 2015年11月26日雪待月増大号掲載