高倉健の「霊園管理費滞納」と未だ遺骨に対面できない「妹」

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 亡くなってから1年が経つまでに、高倉健(享年83)に関して大きな話題を呼んだのは、健さんのすべてを相続することになった“元女優の養女”の存在だった。さらにここに来て、遺骨と墓を巡る問題が持ち上がり、また“密葬”に列席できなかった九州在住の妹・敏子さん(80)は、未だ遺骨に対面できていないでいる。

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 健さんは生前、鎌倉霊園に墓地を確保していた。そこには、71年に離婚した江利チエミとのあいだの“水子”が眠り、命日に墓参する健さんの姿がしばしば目撃されている。だから、没後はそこへ入ることを疑う者などいなかったのだが、事はそう単純ではないようだ。

「今年春のことですが、『チーム高倉』を中心とした有志が、供養塔のようなものをその墓地に作れないかと考えて、霊園側に相談を持ちかけました。健さんを追悼する場所がないというのは彼らのみならずファンにとっても、もどかしいことだと。でもそこで霊園側から“管理費が滞納されている”と伝えられたそうです」(映画関係者)

 ちなみに鎌倉霊園の年間管理費は1平方メートルあたり約2400円。健さんの墓は27平方メートルなので6万円強となる。

 先の発言に登場した「チーム高倉」とは、健さんの話し相手となる理髪師や、クルマの管理をするメカニックなどから構成される、全てを健さんに捧げてきた男たちのこと。チームの面々は、“聖地”を死守すべく、仮に墓地が解約されることになっても、これまで通り利用できるように霊園側ヘアプローチしていると言うのだが、そうするとしたら、名門霊園ゆえに1平方メートル100万円を超すカネが必要となってくる。そもそも養女が管理費の支払いを忘れただけなのか、あるいは墓など不要ということなのか。

■回答の「句」

「実は」

 と、民放幹部がこれを受けて、

「養女は密葬の席で、“みなさんにお骨もお持ち帰りいただきたい”と提案したようですが、一方で健さんの妹の敏子さんは正式に遺骨と対面できないでいる。だからといって決して不満を漏らすことはないのですが、初盆を迎えた今年夏ごろにふと、“あたたかな言葉がひとつでもあれば……”とこぼしていたことがありました」

 これを敏子さんに質(ただ)すと、回答としてこんな句を寄せた。

〈霧の花胸三寸に収めけり〉

 国民的俳優の遺志、養女と健さんの妹の意思。それらがひとつに結ばれる日が待たれるのである。

「特集 文化勲章受章者の旅立ちの秘密 没後1年で語られ始めた『高倉健』密葬の光景」

週刊新潮 2015年11月19日号掲載

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