フッカツ「おそ松くん」のお粗末商売

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“シェー!”という騒ぎになっている。

 赤塚不二夫生誕生80周年記念作品との触れ込みも賑々しく、10月5日にスタートした深夜アニメ「おそ松さん」(テレビ東京ほか)。「おそ松“くん”」でないのは、彼らが大人になったから。

 第1話「復活!おそ松くん」では、27年ぶりのアニメ化に悩む兄弟が、平成のアニメらしさを求めて美少年化。だが、そこにはありとあらゆるパロディがてんこ盛りで、チビ太は巨人となって人を食う……。滅茶苦茶ぶりは赤塚ワールド。

 商魂も逞しくBlu-ray&DVDの発売も予定していたが、11月5日、公式ホームページに【重要なお知らせ】として、第1話を収録しないと発表。理由はあくまで“製作委員会の判断”で、代わりに新作を作るという。ウェブの配信も11月12日を以て、お蔵入り。

「やっぱりやり過ぎたか」

「どこが抗議したんだ?」

 といった声が、ネットでは飛び交っているのだ。

「第1話は元ネタがわからないほど、アニメの教養が求められる作品でした。普通でないことも、やってやろうという、作り手の意気込みすら感じましたね」

 と、コラムニストの林操氏も舌を巻くが、

「ただ、口コミで視聴者が増える中、ソフト化しないという発表には、あざとさを感じる。パロディへの猛烈な抗議が来たというなら、配信も即座に止めるでしょう。むしろいい宣伝となって、視聴率も上がるでしょうし、まだ見ぬ新作が入ったソフトも売れる……」

 これでいいのだ?

週刊新潮 2015年11月19日号掲載

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