ジュネーブで優勝 作曲家「薮田翔一さん」の憧れの人

エンタメ週刊新潮 2015年11月19日号掲載

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 日本人初の快挙である。

 1939年以来、若手音楽家の登竜門として知られるジュネーブ国際音楽コンクールの作曲部門で薮田翔一(やぶたしょういち)さん(32)が優勝したのだ。賞金は1万5000スイスフラン(約180万円)。

 2013年に新設された作曲部門には、約40カ国から109人が応募。課題は弦楽四重奏曲で、薮田さんは、英語で大きな波を意味する『Billow(ビロウ)』という約7分の曲を作った。

「現代音楽作曲家である薮田さんは、まだ広く知られていませんが、日本音楽コンクールで2009年から4年連続で2位を獲得。近年は海外にも挑戦して、最優秀作品賞を受賞したこともあります」(音楽担当の記者)

 1983年、現在の兵庫県たつの市生まれ。ヒガシマルの醤油や揖保乃糸のそうめんで知られる地だ。童謡『赤とんぼ』を作詞した三木露風の故郷でもある。

 母親はピアノ教室を開いており音楽に親しんで育つ。本格的に作曲に目覚めたのは、高校3年生の時。奮起して3年間レッスンに没頭。東京音楽大学に進み、2011年に大学院を修了した。

「瀬戸内海をイメージして下さい、などとイベントや自治体から依頼を受け、作曲活動をしています。風景や映像を繊細に表現できるのが持ち味でしょう。短い線の集積で作る音の流れ、と薮田さんはよく言いますが、今回優勝した曲のさざ波やうねりの表現にも重なります」(同)

 面白いのは、薮田さんを音楽の世界に導いたのが、モーツァルトでも武満徹でもなく小室哲哉!ということ。

 小さい頃から憧れの人で、小学6年生の時には、小室サウンドに似た10秒ほどの曲を作ったそうだ。

 薮田さんは童謡にも興味があるというから多才だ。11月15日には故郷たつの市で開かれるコンサートで音楽監督を務める予定である。