二度目の東京五輪は喜劇として――小田嶋隆

社会新潮45 2015年10月号掲載

 前回の東京オリンピック(以下「五輪」と表記)が開催された1964年、私は小学校2年生だった。

 いまとなっては、実際に自分の目で見たのか、それとも報道や映像から後付けで捏造したものなのか、はっきりしないのだが、ともあれ、私のアタマの中には、晴れ渡った秋の空に5つの円の軌跡を残して飛ぶジェット機の映像が、鮮やかに録画されている。私は、その映像を、随時、脳内再生することができる。

 かように、五輪の記憶は、私の世代の者にとって、輝かしく、美しく、なつかしい、ほとんど夢自体と区別のつかない体験に連なっている。

...

記事全文を読む