『ゆうゆう散歩』終了の「加山雄三」が200億円「エコシップ」造船

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 幸せだなァ……と歌って50年。若大将・加山雄三(78)は今日もきっと幸せである。レギュラー番組『ゆうゆう散歩』の終了が正式発表。そこでご本人は、200億円「エコシップ」造船のアツい夢を語るのだ。

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若大将は変わらない、いつまでも

 地井武男『ちい散歩』を引き継いで3年半。当初は、「上から目線」の「堂々散歩」なんて言われたけれど、すっかり茶の間に馴染んできただけに、終了は少し唐突な気もするのである。

 芸能担当記者によれば、

「加山さんによると、80歳までに夢の『エコシップ』を造りたい、そのための時間がほしいのが辞める理由だとか。コンサートツアーも引退して、今後は造船に注力するんだそうです」

 とのことだが、一体、若大将をそこまで魅せる「エコシップ」って何だ?

 ご本人に問うと、

「それはね、燃料のいらない船っていうことだよ」

 と語り始めるのである。説明を伺おう。

「風が強い時は帆で走る。それが無理な時は、燃料電池と、太陽光、風力発電で蓄えた電気で船を動かす」

 要はCO2を出さない船ということだが、決してそこらのにわかエコかぶれと一緒にしてはいけない。何と15年も前から温めてきたアイデアだというのだ。

「でも、転機となったのは3・11だな。それ以来、災害救助船にもならないかな、と考えたんだ。震災の時には海から行って引き上げれば助けられるケースがあったよな。そんな時のために、海水から真水を1日150トンくらいは作りたい。それに揺れないことも必要だよな。で、いろいろ考えた末、船体を脚で波より上に上げる構造を考えた。アメンボと一緒でこれで10メートルの波でも影響を受けない。数年来、そんな図面を作っては新しく直しての繰り返しだよ」

 実はご本人、これまで23隻を設計するほど船の知識をお持ち。その集大成が「エコシップ」なのだという。

■人生は夢です

 しかし、実現すれば、無給油、無給水、無寄港で揺れずに世界一周が出来るというこの船、最大で全長100メートル、200億円かかるという試算もあるが、

「いや金のことは考えていないよ。要はそのアイデアとか目的とかそういうものを意気に感じる人がいて、チームを作れば何とかなると思っているからさ」

 と究極のプラス思考を見せる若大将。

 おせっかいとは知りつつも専門家に聞いてみると、

「船は造れることは造れると思いますが、実際に機能するかと言えば難しいでしょう。ソーラーカーと同じで、再生可能エネルギーでスピードが出るかどうかは未知数ですし、波に揺れないという構造も聞いたことがない」(日立造船出身の技術評論家・森谷正規氏)

 と渋い評価だが、もちろんそれでめげる人ではない。

「そりゃ実現は難しいさ。でも、マザー・テレサに『人生は夢です、叶えなさい』という言葉があるだろう。ポジティブな奴にはポジティブな人、ネガティブな奴にはネガティブな人しか集まらないよ。それに若い人に“夢を持つことはすごく良い。元気でいられるよ”って知ってもらいたいわけ。ハハハ」

 と、「若大将」節は全開。番組は終わってもその背中は、ゆうゆうと前に歩みを進めていくのであった――。

「ワイド特集 祇園精舎の鐘の声」より

週刊新潮 2015年9月10号掲載

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