今はTV出ずっぱりでも「タカアンドトシ」がMCから陥落の危機にいる

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 概して「無難とマンネリ」は、表裏一体の関係といえよう。TVで観ない日のない売れっ子コンビ「タカアンドトシ」もご多分に漏れず。馬車馬の如く働かされながらも、その勢いに翳(かげ)りが見え始めたというのだ。

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 2人は現在、レギュラー番組を週に10本抱えており、うち8本でMC(司会)を務めている。“欧米かっ!”のギャグでブレイクした後も一発屋で終わらず、巧みに芸能界の波に乗ってきたかに見えるのだが、

「MC番組で、これまでのような視聴率が見込めなくなってきています」

 そう明かすのは、さる民放の編成局員。例えば、

「フジ系の『ペケ×ポン』は一時期17%台をマークしていたのに、今や6~8%を行き来するありさま。今春、TBS系で始まった『世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?』などは、4%台と低迷しているのです」

 10年4月からゴールデン枠に移行した『お試しかっ!』(テレ朝系)は、12年初めには最高視聴率20・1%を記録したものの、番組内の企画『帰れま10(テン)』のマンネリ化もあり、じわじわと6~7%台に定着。今年1月、突如終了した。

「深夜枠も振るいません。3月からの新番組『タカアンドトシの道路バラエティ!? バスドラ』(テレ朝系)は、2%台に沈む回もあり、秋の改編で“衣替え”の筆頭に挙げられています」(同)

■ピンでは成立せず

 在京テレビ局幹部は、

「ケチのつき始めは、やはりMCを務めながら13年秋に打ち切られた『ほこ×たて』(フジ系)でした」

 と指摘するのだ。

「スタッフによる“やらせ発覚”というとばっちりで人気番組が潰れ、潮目が変わってしまった。翌年にはレギュラー出演の『笑っていいとも!』が終了。『ほこ×たて』の後番組である『クイズ!それマジ!?ニッポン』も、最初こそ10%台だったのに、今ではやはり4~5%台もザラで、現場ではすでに“タカトシでは数字が取れない”と言われ始めています」

 1本あたり約90万~100万円という手頃なギャラも引っ張りだこの理由というのだが、芸能記者によれば、

「お互い、ピンでは仕事にならないのが最大のネックです。ボケ役のタカは、打ち合わせの際にも周囲が“ちゃんと意思疎通ができているのか”と心配になるほどの人見知り。番組は、ツッコミ役のトシが全体を回さないと成り立たない。そんな事情もあり、バラ売りせずに一貫してコンビにこだわってきたのです」

 実際に、ゲストなどを含む2人の今年上半期の番組出演数は192。その全てがコンビの仕事で、単体はゼロ。他のお笑いタレントとの差異は際立っている。

「2人はまだ30代。トシが、タカでなくゲストに突っ込むと、時として“失礼な若造”と映ってしまいます。結局、MCといっても他の出演者を上手く巻き込めず、どうしてもコンビ漫才の延長にならざるを得ない。新味が出せないまま、ここに至ったわけです」(同)

 4月には別番組で『お試しかっ!』の終了に触れたタカが、こう漏らしていた。

〈終わる時は一瞬で終わります。やばいんですよ、今、タカアンドトシは〉

 視聴率とは、かくも無慈悲なバロメーターなのだ。

「ワイド特集 祇園精舎の鐘の声」より

週刊新潮 2015年9月10号掲載

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