維新「松野頼久」代表に地方議員「推薦30人」の重圧

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「推薦人、集める自信があるんですか?」

 7月29日夜、維新の党の松野頼久代表は親しい議員たちとの会食の場で、こう問い詰められたという。無論、「推薦人」というのは、11月1日に行われることが決まった初の代表選への立候補に必要なソレである。

「ちょうど、その前日の執行役員会で、大阪組の議員に決断を迫られた松野さん以下4人の幹部が、とうとう『国会議員5人と地方議員30人』とすることに決めてしまったんです」

 とは、ある党幹部。

「約320人の地方議員のうち、150人以上を占める大阪組に有利だということは、言うまでもありません。1カ月程前から党内で議論し、当初は『国会議員5人以上と地方議員を合わせた30人』とするはずだったのに、結局は橋下徹最高顧問の意向が通った。投票時に国会議員、地方議員、党員に等しく1票を与えるだけでは済まなかったというわけ。松野さんも、どこまでお人好しなんだか」

 で、冒頭の通り、側近からズバリ、突っ込まれてしまったのだ。当の松野サンは答えをはぐらかしたそうだが、実際はどうなのか。

 政治部デスクが続ける。

「表向きは出馬に慎重な松野さんも、江田憲司前代表が“謹慎中”とあっては、自分が出るしかないことは承知している。もっとも、地元・熊本には一人も地方議員がいないので、仲間に頼るしかありません。柿沢未途幹事長の地元・東京の47人、江田前代表の地元・神奈川の23人を中心に30人は集まるかもしれないが、大重圧でしょ。いざ真剣勝負となったら、厳しい戦いになる」

 先の党幹部は、憂慮を隠さない。

「松野さんは、大阪組も党の分裂を助長してまで候補者を立てはしないだろうと高を括っているのですが、見極めが甘い。松井一郎顧問になるのか、他の議員になるのかはさておき、彼らは『誰かしらは立てる』と意気込んでいますからね」

「頼」りなくて「久」しい代表である。

週刊新潮 2015年8月13・20日夏季特大号掲載

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