知らなかった父の意外な過去/『昭和残影 父のこと』

社会

 夭折した父の足跡をたどる、足立巻一の名著『虹滅記』を知ったのは「本の雑誌」のおかげで、同誌は繰り返し、その面白さを熱っぽく紹介してきた。

『昭和残影』は、その「本の雑誌」発行人であった著者による、目黒版『虹滅記』である。構想三十年、冒頭の部分が雑誌に発表された後、長く中断してやきもきさせられたが、ようやく完成したので飛びつくように読んだ。

 足立巻一と違って目黒氏の両親は長く健在だったが、二人とも寡黙で、友達や親戚を家に招くこともほとんどなかった。息子のほうからも、積極的に父の人生を聞いたりはせず、やがて家を離れる。

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