偉人たちのゴシップ集/『歴史と私 史料と歩んだ歴史家の回想』

社会

 無味乾燥で、解読に手間のかかる歴史史料の山の向こうに、やけに生臭い、人間味溢れるドラマが隠れている。史料を探し、収集し、整理し、活字化し(採算にあわず活字化できないことも多い)、保存し、公開する。『歴史と私』は昭和史研究のインフラ整備をライフワークにした東大名誉教授伊藤隆の語りによる回想録である。

 報われること少ない、地味な作業の連続のはずなのに、妙に愉しげで、疲れを知らない収集のさまは、驚嘆に値する。政治家、軍人、官僚、労働運動家など対象となる人種はさまざま、途中からはオーラルヒストリーという聞書きにも力を入れる。

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