パワフルだった日本の老人?!/『昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』

文芸・マンガ

 昔話の主人公には老人が多い。

 言われてみれば確かにそうで、昔話というと、たいていの人が「昔むかし、あるところに」と話し始めることだろう。

 著者は、老人が主人公もしくは登場する昔話が多いことを実際に数字で示した上で、その謎に迫っていく。子どものころから古典を読みふけっていたという人だけに、日本全国に伝わる昔話だけでなく、昔話とは切っても切れない影響関係にある古典文学も参照しながら、そこに描かれている老人の知られざる姿を紹介していく。

『本当はひどかった昔の日本』の著者だから、ほのぼのした方向には行かないだろうと最初から予想がついたが、肉体的に衰えた老人を取り巻く環境は、前近代社会の現実を反映して想像した以上につらく厳しい。

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