出馬するなら「神奈川11区」と宣言したロンブー「田村淳」の野心

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 またしても、「出っ歯から出まかせ」なのか。2月23日、ラジオ番組で「神奈川11区(小泉進次郎復興大臣政務官の地元)なら出たい」と発言して話題を呼んだ、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の“出っ歯のほう”の田村淳(41)。しかし、彼には再三、政界進出を匂わせてきた過去があり、もはや持ちネタの感すら漂ってくるのであった。

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 問題の発言は、維新の党の江田憲司代表とのトークで飛び出した。

「若者にも大人気の進次郎さんに勝てる候補者が、神奈川11区に立てられると相当面白いですよね」

 こう田村は語り、小泉氏との対決も辞さないと、自身の出馬を仄(ほの)めかしたわけだが、これまでにも彼は、

「(2009年当時の)民主党(政権)が上手くやらなかったら、立ち上がる準備はある」

「いずれ、下関という(田村の)地元から立候補できたら」

 等々、公言しながら、何ら実行に移していない。したがって今回も、芸能評論家の肥留間正明氏は、

「真剣ではないと思いますよ。収入を考えても政治家より芸人のほうがいいでしょうし、選挙に出れば、その前後はタレント活動が制約されますからデメリットは大きい。江田さん相手のリップサービスであると同時に、芸人として注目を集めるための道具の一つに、政治を『利用』しているんじゃないですかね」

「往時」はフジテレビの帯番組に出演し、連日、画面に露出していた田村も、今では『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)が目立つ程度。このような事情を踏まえた上で、田村と番組共演経験のある政治ジャーナリストの藤本順一氏が解説する。

「彼は必ずしも芸人活動が順調ではないのかもしれません。確かに“政治に強い淳”というキャラクターを作ろうとしている面はあると感じます。一方で政治に関心を持っているのも事実。去年の6月、彼が司会を務めるTOKYO MXテレビの番組の収録後、一緒に焼肉を食べたんですが、『行政に興味がある』と言っていたので官僚が参加する飲み会に誘うと、その後、スケジュールを調整して、実際にやって来ましたからね」

■「どっちが面白い」!?

 ここは、田村本人に「政治的野心」の本当のところを語っていただこう。

「ラジオでの発言はリップサービスです。そもそも、あの番組のコンセプトは政治に関心のない人たちに興味を持ってもらおうというものですから、俺の発言で政治に意識を向けてくれたらいいなと。本当に選挙に出るなら、番組でポロッと言ったりしませんよ」

 あっさりとこう認めつつ、

「でも、もし出るなら選対本部を作って、俺は緻密に本気でやりますよ。出馬の直前まで言いません。だいたい、ヤワラちゃん(谷亮子参院議員)やタレント議員って嫌いなんですよね。まあ、俺は彼女がどんな政策をやっているのか知らないですけど、知名度だけで騒がれるのもどうかなと。それにしても、俺が出馬するのと、結局はしないのと、どっちが面白いんですかね」

 と、芸人らしい一面も。

 兎(と)にも角(かく)にも、政治の世界ではリップサービスが過ぎて不用意に目立つと、潰されること請け合いで……。

「出る歯は打たれる」となりませんように。

「ワイド特集 木の芽時の夢うつつ」より

週刊新潮 2015年3月12日号掲載

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