近代の性観念を紹介した謎の人物の正体を探る/『明治の「性典」を作った男: 謎の医学者・千葉繁を追う』

社会

 明治初期に出版され、大ベストセラーとなった『造化機論』。「造化機」とは生殖器のことで、同書はいわば『解体新書』の性器版に当たる。西洋医学が一般的でなかった時代に、米医学の最先端の情報が翻訳されたもので、多くの人に読まれた“明治の性典”と言ってもいい。ところが、この本を翻訳した千葉繁なる人物の記録はほとんど残っていない。

 本書は、社会学者でセクシュアリティ研究を専門とする著者が、この謎の翻訳者は何者かを長い調査期間をかけて追いかけたルポルタージュともいえる。

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