食があぶり出す人の政治的本質/『フード左翼とフード右翼』

社会

 何が左翼で、何が右翼かが、今日の政治情勢の中で、きわめて見えにくくなっている。

 ソ連崩壊以降、かつての共産主義イコール左翼という古典的図式が消滅し、政治自体もマーケティング化、劇場化が進んだ結果、場当たり的な口当たりのいい政策が日々乱発されて、交錯し、めまぐるしくねじれ続け、何が現代社会の中で左翼的なのか右翼的なのかが判然としなくなってしまった。

 筆者は、食というフィールドを用いて、今の政治的混乱の整理を試みる。食べ物はわれわれのナマな身体と直接的にかかわっているので、食を媒介にして考えると、僕と世界との関係、人間と環境との関係、すなわち自分自身の政治的な本質が、意外なほどの鮮明さと具体性をもってあぶり出されてくるのである。

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