二人の編纂者 友情と決裂の謎/『辞書になった男』

文芸・マンガ

 見坊豪紀(一九一四~九二)と山田忠雄(一九一六~九六)。戦後の辞書界に大きな功績を残した二人の編纂者の人生を取り上げるというと、常人離れした努力を描いたものとまず想像してしまう。本書にその面白さはもちろんあるが、二人の内面にまで踏み込み、友情と決別の謎に焦点を当てているのが面白い。著者が制作したNHKの番組を幸い(と言っていいのか)見ていなかったこともあり、ミステリーを読むときのようにページを繰る手が止まらなかった。

 小型国語辞書の世界に革命を起こした『三省堂国語辞典(三国)』の見坊と、赤瀬川原平『新解さんの謎』でも人格を備えた面白い辞書と紹介される『新明解国語辞典(新明解)』の山田はもともと東大の国文学の同級生で、山田を辞書編集の世界に誘ったのは見坊だ。

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