今蘇る柳田の「経世済民」の志/『遊動論 柳田国男と山人』

文芸・マンガ

 あの柄谷行人がやっと日本に帰ってきてくれた。なんだか変な感想になってしまうが、それが『遊動論――柳田国男と山人(やまびと)』読後の実感である。

 阪神タイガースの熱狂的なファンである柄谷を野球選手に擬すれば、世紀の変わり目に、柄谷投手は日本のプロ野球からベースボールの大リーグに移籍した。

 相変わらず達意の日本語で執筆はするが、その著作は、日本という文脈を離れ、英語圏への発信に傾注されていた。その理論的成果が『トランスクリティーク――カントとマルクス』や『世界史の構造』になる。

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