潔く、含蓄のあるミケランジェロ入門/『神のごときミケランジェロ』

アート

 建築家にとって、ミケランジェロは、ちょっと特別な存在だ。まるで、先人の成果を無視しているかのよう。はるか遠い魂の故郷に帰って、そこから自分の精神だけを頼りに、一気に今を飛び越え、先に進む。歴史の論理的展開というより、彼個人の特異な個性のなせるわざ。なのに、結果的に、新しい時代を切り開いてしまう。そんな建築家は、そうそういない。

 いやいや、ル・コルビュジエはその希有な例、と指摘したのは、本誌先々月号の特集の丹下健三だ。1939年という早い時期に、「MICHELANGELO頌――Le Corbusier論への序説として」という文章で、まさにミケランジェロとル・コルビュジエの二人を「最高の使命」を担った建築家として並べ、論じている。

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