ホラーへの秒読み みうらじゅん/私の名作ブックレビュー【書評】

文芸・マンガ

 自分の今の年齢は、松本清張の小説の中では初老の域に達している。刑事ではベテラン、会社では部長クラス、自営業では苦労を重ねようやく余裕が出来、そろそろ愛人関係で揉めに揉め出す頃だ。人生は一度っきり。うまくやっていきたい。それには掴んだ“幸せ”を死ぬまでキープすることだ――

 松本清張モノならもう何だっていいと思っている。たくさん本も出ているから一生、それだけ読んでいても構わない。オレにとってそれは推理小説でも、社会派小説でもない。言うなればホラー小説に近い。

...

記事全文を読む