仏教の現代的意義とは/『知的唯仏論』

ライフ

 父と母の存在が、子供の人生に負債となって貼りついている人生とはいかなるものなのだろうか。
 父は「コキュ」の汚名を背負い、虚無僧姿で全国を放浪、時には発狂し、戦時下に餓死するダダイスト辻潤。母はアナーキスト大杉栄のもとに奔り、甘粕事件で虐殺される「新しい女」伊藤野枝。戦前の価値観からすれば、「非国民」極わまれりの二人ではないか。
 親があっても子は育つ、にしても、よくぞ育った、と褒めてやりたくなる人生である。
 辻まことは、戦後、山の画文家として一部で知られるが、六十二歳で自死したあとに、むしろ評価がたかまった。

...

記事全文を読む